牧師さんである
そしてバーボン名である
おいどんの名はエライジャクレイグ。
縁あってアメリカで牧師をやっとりもす。
1789年アメリカ合衆国発足の年、おいどんはバーボンを作りもおした。
それまでにも農家などで小さな蒸留器で酒は作っておったがバーボンなるものを最初に考案したのは、ワシじゃ。
チェスト!6年前にエバンウィリアムズなるものが、作っておっただと。
チェスト!間違いではないらしがしつこいようじゃがわしがバーボンの創始者である。
とうもろこしに大麦とライ麦を混ぜ火にかけ、糖分を抽出したのち、水とリンゴ、プラムを入れて熟成させたのち、蒸留するのじゃ。チェスト!他言は無用じゃ。
もうひとつ教えてやろう。
バーボン特有の色と香りはホワイトオークの新樽の内側を焼く事によってもたらされるのじゃ!
ここだけの話じゃが、前に鳥小屋で火事があっての。チェスト!おいどんの煙草の消し忘れではないわい。
妬みを持ってた誰かが火をつけたんじゃろ。
こう見えても、町では信用のある牧師じゃと自負しておる。
での、その鳥小屋の中にウイスキーの入った樽が置きっぱなしじゃった。
鎮火した後その酒を飲んだら、あら?美味いじゃんと!
チェスト!おいどんは牧師の身なればこそ、火付け人を責めるのではなく、神が与えたもうた偶然に感謝したのだ。
チェスト!断じておいどんの不始末ではないぞぇ。
まあそれからバーボンはこんなふうに作られるようになったのじゃ!覚えておくとよい。
ちなみにバーボンとは独立戦争の時、アメリカに味方をしたフランス王朝ブルボンの英語読みである。
チェスト!バーボンの歴史はすなわちアメリカの歴史である。
チェスト