会社が倒産したらどうなる? | 【匠】会計・英語・ITを武器に!バンコクで働くバイリンガル米国公認会計士のブログ

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こんにちは。謙信です。

前回は、株主資本(Shareholders' equity)の構成要素について、
基本的な点を紹介させて頂きました。
図を再掲しておきますね。




今回は、前回までとはちょっと毛色の異なる
トピックを扱いたいと思います。
ずばり、「倒産」についてです。
倒産のことを、英語では「Bankruptcy」と呼びますが、
このBankruptcyは、「Title 11」という法律の中で、
事細かに定義されています。


そして、「Title 11」は9つのChapterから成り立っているのですが、
・Chapter 7: Liquidation(清算)
・Chapter 11: Reorganization(更生)
がよく米国公認会計士(U.S.CPA)試験で問われます。


そして、FAREという試験科目で問われるのは、
・Chapter 7: Liquidation(清算)
になります。


また、REGという試験科目で問われるのは、
・Chapter 11: Reorganization(更生)
になります。


今回は、Liquidationについて、
概要を説明してみますね。


まず抑えておかなければならないことは、
債権者(creditors)は出資者(equity investors)に比べて、
強い請求権を持つ
という点です。


Liquidationすると、資産(assets)をすべて処分し現金化して、
その現金を債権者(creditors)と出資者(equity investors)に
返済する手続きを取ります。
現金の返済を受ける優先権は、まず債権者にあって、
出資者は残余請求権(residual claim)しか持たないことになります。


以下、図で説明しますね。




この会社、$12,000のAssetsがあるのですが、
LiquidationしてAssetsを現金化したところ、
$7,000にしかなりませんでした。


それに対して、Liabilitiesが$4,000、
Shareholders' equityが$8,000の場合、
事業単位(entity)はまず、
債権者(creditors)に$4,000返済して、
出資者(equity investors)に$3,000返済します。


もしも、Assetsを現金化したところ、
$3,000にしかならなかったら、
債権者(creditors)に$3,000を返済して終了ですね。
出資者(equity investors)は全く回収できないという訳です。


という訳で、
みなさんがある会社に資金を提供する場合、
清算時に返ってくる可能性が高いのは、
株を買った場合じゃなくて、
社債を買った場合になりますね!