夜中に時々聴きたくなる曲があります。大好きな曲ですが幻想的でありながら地味で、決して誰もが知っているわけではない曲。その曲のことを紹介したこんな一文、初めて読んだときには驚きとともに嬉しさが込み上げてきました。
ぼくは歌い出した。君に対するありったけの気持を込めて心から歌った。
月が一時を打つころだった。
「ジュリーとリトル・ジョン・テイラーは近所の友達だった。僕たち3人は黄金のトライアングルのような友情で結ばれていた」と歌い出す、ザ・バンドの曲を想い出した。「月が一時を打った」という歌だ。
「カフーツ」というアルバムに入っている名曲だが、名曲だと思っているのはこの国では俺と仲井戸麗市とあと1人か2人だろう。
「ある夜、3人は湖に泳ぎに行くがリトル・ジョンがヘビにかまれて死んでしまう」という歌だ。
(中略)
ああ!こんなストーリーのある歌を歌いたいものだ。こんな曲を作れたら、たとえレコード会社に「売れないよ」と言われたってへでもねぇさ。
瀕死の双六問屋(忌野清志郎)小学館文庫より
THE BANDのCAFOOTSというアルバム、THE BANDの中では決して評価の高くない作品ですが、このバンドの遺した非常に水準の高い作品群においては相対的に地味目というだけなのであって非常に優れた作品だと思います。特に上述のTHE MOON STRUCK ONEは名曲ですねぇ。
RCの感傷的名曲ヒッピーに捧ぐはこの曲ににインスパイアされた部分も大きいのかもしれません。
Cahoots (Remaster) (紙ジャケ)/ザ・バンド