日本がタクシン元首相の入国禁止措置 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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 日本政府は6日、タクシン元首相の入国禁止を決定しました。入国禁止の理由は、タクシン元首相が昨年10月に国有地の不正取得事件をめぐって汚職防止法違反罪で禁固2年の実刑判決を受けたためとしています。これは、先週(2月5~7日)の民主党政権・アピシット首相の訪日にタイミングを合わせた決定と思われます。

 この日本政府の措置に対しては、親タクシン派で最大野党・タイ貢献党のスラポン議員は日本製品不買運動の可能性を示唆しました。

 タクシン氏は判決前の昨年8月にタイを出国して以来帰国していません。出国当初は英国・ロンドンを拠点としていましたが、昨年11月、中国、香港を訪問中に英国から再入国を拒否されました。最近、タクシン氏は政界復帰を宣言。先週はカンボジアのフン・セン大統領と会談をしています。

 一方、米国政府は「米国はタクシン元首相の入国を禁止する予定は全くない」としています。

 親タクシン派は現在、総選挙を実施すれば高い確率で勝利するとされています。タイ国王が高齢の今、タイ政治は揺れています。日本政府は現政権ベッタリ、米国はどちらに転んでも良いというスタンスなのでしょう。そこには戦略の差が感じられます。