私はタイ株のみならずベトナム株や日本株も気になります。今日は少し時間があったので、日本株市場をテクニカル分析してみました。
まず日経225オプションのボラティリティをみると、インプライドボラティリティ(IV)、ヒストリカルボラティリティ(HV)ともに30以上で特にIVは36とSQ直前を除くと非常に高い数値になっています。
(参照)日経225オプションのボラティリティ
米国サブプライム問題からリーマンブラザーズ証券が倒産で、現在の相場は荒っぽい値動き。ボラティリティの高い相場は当面続きそうです。
一方、日経平均株価の月足チャートは、長期移動平均線が下落中。明らかに弱気相場です。しかし現在の株価は、2004年4月~2005年8月までの上値レジスタンス線だった12000円水準まで下落しており、この12000円の下値サポート線は相当強力なサポート線だと思います。また週足チャートを見ると、先週は大きな下ヒゲとなっており、これは当面の底値になる場合が多いシグナルです。
日経平均の動きを俯瞰するため、上のようなグラフを作ってみました。説明すると、2000年4月に17920円の高値を付けた後、2001年末から2002年初にかけて10000円近辺まで下落。その後およそ3年半強の「逆三尊底」形成に入ります。
その「逆三尊底」は2005年8月にブレークアウトで上昇相場入り。2007年2月に17600円の高値を付けた後、現在まで下落トレンドが続いています。
大きく見ると、2つのチャートの型が読み取れます。1つは赤字の「逆三尊」、もう1つは青字の一目均衡表にいう「S波動」です。通常、テクニカル分析では「2点底を付けた後のS波動」は非常に堅い底値シグナルです。今回は「逆三尊底を付けた後のS波動」でその変形。
日経平均株価が12000円を大きく割れずに回復に転じれば、数年間は続く上昇相場へ入る可能性があります。しかし、もしサポート線の12000円を大きく割り込むようだと、2003年4月の8000円を目指す展開になると考えています。
とはいえテクニカル分析に予断は禁物。12000円で下げが止まるか、割り込むのかは総合的な判断が必要です。
日曜日(21日)のインタビューでジム・ロジャーズ氏は「バリュエーション上、日本株は割安だと思う」と話していました。とはいえトレンドはまだ明らかに「ダウントレンド」。もし買いに入るのなら、慌てることなく、底を見極めてから買いに入るほうがよいと思います。
一個人投資家としては、今は「緊急事態」であり、こういう時こそ基本に戻ることが大切だと考えています。