『ネオン・デーモン』 (2016) ニコラス・ウィンディング・レフン監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~



『ドライヴ』がとてつもなくかっこよかったニコラス・ウィンディング・レフン監督最新作。

『ドライヴ』に続く監督作品が『オンリー・ゴッド』だが、映画の広告で「賛否両論!」という文句があれば、間違いなくほめる言葉に窮した駄作と思っていい。『オンリー・ゴッド』がまさにその例で、これほど楽しみにして落胆した映画もほかに思いつかないほど。

そしてその『オンリー・ゴッド』に続くこの作品だが、これは映画配給会社の宣伝文句ではなく、賛否両論の映画ではないだろうか。そして自分はといえば、完全ノックアウトされた。

とびきりスタイリッシュなホラー映画。舞台はモデル業界。スタイリッシュであるのは当然とはいえ、相当プロダクションにこだわった感がある。映像の美しさが一つ一つの意匠の先鋭さを際立たせていた(ちなみにレフン監督は視覚障害があり、中間色を識別できず、ヴィヴィッドなカラー使いが多いのはそのため)。

主役は、ダコタ・ファニングの実の妹のエル・ファニング。これまで出演作は多かったが、印象的な作品はなかった。この作品では、並みいるモデルに交じって魅力を最大限に発揮していた。

前半は、モデルの世界の競争に伴うドラマが展開するが、まあ普通のあり得るストーリー。この映画をユニークなものにしているのは、後半のストーリー。予想していない展開に、かなり驚かされた。

スタイリッシュなホラーで好きな作品といえば、トニー・スコットの初監督作品『ハンガー』があるが、この作品はそれ以上の出来。人に諸手を挙げて勧める作品ではないが、はまる人には間違いなくはまるはず。

★★★★★★★ (7/10)

『ネオン・デーモン』予告編