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日本人女性登山家難波康子氏が参加し遭難した、1996年のエベレスト大量遭難事故を映画化(知る限り2回目の映画化)。
CG技術の進歩が伺える迫力ある映像が見物。
世界最高峰のエベレストに登頂するのは、一緒に訓練を積んだプロ、セミ・プロの登山家だと思っていたが、実は違うということをこの映画を観て知った。勿論、登山を本格的にする人にとっては常識なのだろうが、お金を出せば都市観光のように単独でツアーに参加できるらしい。
1996年の大量遭難もそうした営業公募隊が起こした事故。事故の内容はWikipediaに詳しい。
Wikipedia 「1996年のエベレスト大量遭難」
ストーリーは予想の範囲を出ていないし、お涙頂戴系の盛りもあるだろうが、シラけるほどではなく、素直に感動するでいいかなという感じ。
確かに普通の人が普通に生活している上では、見ることができない景色を見ることができるであるとか、命を賭しても何かを成し得るといういわばチープ・スリルがあることは理解しても、やはりなぜこれほどまで過酷な体験をしてまで山は人を引き付けるのかということの答えがないのが残念。
シーンの途中で、それを参加者の顧客同士の会話で「なぜ?」「そこに山があるからだろ、ガハハ」「違うだろ。なぜ?」というものがありながら、それに続く会話のインパクトが弱い(難波氏は、そのシーンで「自分はこれまで7大陸最高峰のうち、6峰を制覇してきたから、なぜって当たり前でしょ」と答えている)。
そこは盛りに盛っても、もっと哲学的に、なぜ山登りは山に登るのか、そしてなぜ世界最高峰のエベレストを目指すのかということを登場人物に語らせてほしかった。
ということで、内容的には浅いが映像の迫力満点(3Dは必須)のパニック感動映画という評価が正しいだろう。敢えて観なくてはいけないということでもないが、それほど期待しなければちょーがっかりということでもないかな。
★★★★★ (5/10)
『エベレスト』予告編