『時をかける少女』(2006) 細田守監督 | FLICKS FREAK

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いやぁ、映画って本当にいいもんですね~




先日、『バケモノの子』を観たので、DVDで『時かけ』を観直してみた。

劇場公開時に観て、2007年のDVD発売時にも購入して観た作品だが、随分と時間を経て観てみるとやはり違った印象だった。

確実に細田ワールドは進化・深化しており、やはり『バケモノの子』が今までのベストの作品であることを確認できた。

まず作画のレベルがとんでもなく上がっている。これは作品制作に掛ける時間・マンパワーとお金の違いがあるから当然と言えば当然なのだが、『バケモノの子』は「絵として美しい」シーンが多々あった。

そして、やはり人間の心理描写が圧倒的に深い。『時かけ』は登場人物がほぼ高校生だけであり、いわゆる「恋愛未満」という非常に過渡的な心理状況を描いているため、底は浅いと言わざるを得ない。それに比して、『バケモノの子』は人間の心の闇という大きなテーマを設定し、それを持つ人少年が、大人へと成長していく過程で、父親との軋轢・葛藤という実に深いテーマを扱っている。

とは言え、観直してやはり『時かけ』の瑞々しさには心惹かれるものがあるし、原作を完全に換骨奪胎したストーリーにも舌を巻く。

ストーリーに敢えてケチをつければ、千昭の「未来で待つ」って、どうやって再会できんだよ!と突っ込みたくなったくらいか。

ということで、自分的には細田作品の好みの順序は、『バケモノの子』>『時をかける少女』>『おおかみこどもの雨と雪』>『サマーウォーズ』であると納得した次第。

★★★★★★★ (7/10)

『時をかける少女』予告編