『色街をゆく』補記 1 吉原 その2 | 断片的な日々 

『色街をゆく』補記 1 吉原 その2

よく知られていることだが、「吉原」という地名や住所は、現在では存在しない。ソープ街になっているエリアは、正しくは「台東区千束」である。


だが、「吉原」の名がついた建物やスポットは、いろいろ見かけることができる。名所旧跡としては、吉原神社や吉原弁財天などがすぐに挙げられよう。


筆者がすぐに思いつくのは、「NTT吉原」である。


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2000年頃か 筆者撮影


これはNTT吉原ビルのすぐ脇にあった電話ボックスのプレートである。最も上の表記が「千束」ではなく「吉原」になっている。また、一番下の事業所名が「上野支店」となっているが、それ以前は「吉原営業所」だった。



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やはり2000年頃か 筆者撮影


また、NTTビルのすぐ近くには、かつて東京電力の変電所があった。こちらも「新吉原変電所」だった。


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筆者撮影


ちなみに、これもよく知られたところだが、現在の吉原を「新吉原」と呼ぶのは、江戸時代に由来する。かつては現在の人形町あたりにあった遊廓が、もともとの吉原。それが、火災によって現在の場所に移転し、新吉原と呼ばれるようになったとは、さまざまな文献や資料にみられるところ。


さて、ソープ街としての吉原は、これもどこか不思議な空間である。


(つづく)