野田首相の「原発再稼動」表明に市民が官邸前で抗議行動 | 断片的な日々 

野田首相の「原発再稼動」表明に市民が官邸前で抗議行動

6月8日、東京・永田町の首相官邸前で、野田総理による大飯原発3号機ならびに4号機の再稼動に関する会見に抗議する集会が行われた。


首相官邸前では、連日の抗議行動が行われていたが、この日は同原発の再稼動を認める会見が行われるとの予測から、多くの市民や学生などが集まった。



断片的な日々 

大飯原発再稼動に抗議する市民たち

撮影 橋本玉泉


集会は18時から開始された。時を同じく野田総理の会見が始まり、その音声が現場に流された。野田総理が「国民生活を守る」という文言を使うたびに参加者から不満の声が漏れた。さらに、「福島のような事故は二度と起こさない。原発事故を防止できる対策と体制は整っている」といった旨の発言が流れると、参加者達からいっせいに「ウソをつけ!」との激しい声が飛び交った。


野田総理の発言から感じられたのは、あたかもすでに震災後の事態が収束し、原発を再稼動しても現実的または物理的に何ら問題は無いかのような可能性を念頭においているかのような感覚だった。そして、あとは「法的な整備」をするだけと野田総理は強調したように筆者には感じられた。


この野田総理の発言に対して、参加者からは激しい批判が連発された。

「『原発事故は防止できる』なとど野田総理は言うが、具体的な根拠が何も無い」

「被災地ではまだ16万人もの住民が帰宅できないのに、どこが事態が収束しているというのか」

「多くの国民は節電に努力する覚悟ができている。野田総理は国民を信用していないのか!」


野田総理の会見が終わると同時に、「再稼動反対!」のコールが起こり、20分以上も続いた。


ある参加者は、「野田首相は夏場の電力不足に備えるためなどと言っているけれど、実は夏でも原発無しでも電力が足りることがバレるのを恐れているんじゃないでしょうか」と語った。


集会には参加者が続々と集まり、20時までに4000人を数えた(主催者発表)。集会終了後も、有志がその場にとどまり大飯原発の再稼動反対や原発依存からの脱却などを求める声を上げ続けた。