中村克氏の主張する「『読売新聞』の誤報」に関する検証 1 | 断片的な日々 

中村克氏の主張する「『読売新聞』の誤報」に関する検証 1

著作権侵害である可能性が極めて高い『最後のパレード』(サンクチュアリ・パブリッシング発行)に、著者としてクレジットされている、自称コンサルタント業の中村克氏が、読売新聞社(本社・東京)が発行する『読売新聞』の記事について、「誤報」と主張し、自らを「報道被害者」と繰り返している点についての検証を始めたい。


まず、中村克氏は「『読売新聞』の報道は誤りであり、自分はそれによって被害をこうむっている」との旨を繰り返し主張している。しかし、その「誤報」が具体的にどのような内容や表現であるのかを、まったく指摘していない。


そこで、まずサンプルの抽出からはじめることとする。『読売新聞』に掲載された『最後のパレード』関連の記事は、全部で17件が確認される。そのうち、書評欄での署名のみ記載が5件。すなわち、同書が取り上げられた記事は、次の12件が該当する。


◎2009年4月20日 

〈解〉「最後のパレード」


◎2009年4月20日 

ベストセラー本「最後のパレード」に盗用疑惑 入賞作やネット投稿に酷似


◎2009年4月20日 

盗用疑惑 「最後のパレード」著者側から「小さな親切」本部に連絡なし


◎2009年4月21日 

「最後のパレード」発行元「盗用ではない」 専門家は「著作権侵害」


◎2009年4月23日  

ディズニー本疑惑 「著作権侵害濃厚」発行元社長が謝罪


◎2009年4月24日

「最後のパレード」盗用疑惑 ネット情報の著作権、軽視


◎2009年4月27日

ベストセラー「最後のパレード」盗用疑惑 「ディズニー」社内文集からも


◎2009年4月29日

「最後のパレード」盗用疑惑 発行元に自主回収求める


◎2009年5月1日

盗用疑惑本 「小さな親切」本部が法的措置も 著者の説明・謝罪なく


◎2009年5月1日

盗用疑惑本を自主回収 発行元、16万部きょうから


◎2009年5月日

「最後のパレード」盗用 発行元が謝罪「7話で著作権侵害」 社内調査受け


◎2009年5月19日

「最後のパレード」出版社が謝罪広告 著作権、大半が不明確 刊行前の調査怠る


以後、『読売新聞』に『最後のパレード』関連の記事が掲載された形跡はない。したがって、上記の記事をくまなく点検すれば、中村克氏が主張する「誤報」について、確認できる可能性があるといえよう。


かなりの長丁場になる予定だが、これによって『最後のパレード』事件について、事実により接近することができれば幸いである。


(つづく)