今回は今でも私に根付いているこだわり項目のお話です。


 話は私が幼稚園の頃にさかのぼる。私は4歳の年少さんからの入園だったが、幼稚園には一般的に制服がある。ボタンが付いたブラウスなのでもともと着替えるのが遅い私は毎朝大変だったことを記憶している。私は最初はボタンを下から留めていたがどのボタンがどの穴に対応しているのかが分からずしばしば掛け違えていたようだ。


 あまりにもボタンの掛け違えが多いので、親はボタンを上から順番に留めるように私に言った。上からなら掛け間違えてもすぐに分かるかららしい。幼稚園の頃はブラウスのボタンは一番上も含めて全部留めるように言われていたのでその通りにしていた。これは習慣として根付いていくことになった。


 小学生になると私の学校では私服だったのでボタンのないファスナー式の服を着ることもあったがボタンのある服を着るときはボタンは違和感なく一番上から全部留めて着ていた。もうこの頃にはボタンを掛け違えることはなくなっていたが、ボタンを上から留めるという習慣は定着していたのでそのまま継続していた。


 中学生の時は以前の記事でも書いたように校則でがんじがらめにしていた時代である。制服はボタンやホック(学ランの一番上の留め金)まで学校にいる間は留めておかないと先生たちに注意される。学ランの襟にはカラーという白いプラスチック製の板もつけておかなければいけない。これが頻繁に割れるが、割れたら購買部で買わないといけない。これは襟元につける校章なども同様である。この中学では夏は開襟シャツだったのでそうでもなかったが、この頃になると男子たちは反発心が強くなるのでこっそり変形のズボンをはいたり、ホックなどは首元が苦しくなるので休憩時間などは外す生徒も多かったが、服装の乱れから生活の乱れは始まると当時考えられていた(←あながち間違いではないが)ので服装違反の取締りは厳しかった。毎週ある学年集会でたとえば靴下にちょっとしたポイントが付いているだけでも違反行為として前に呼び出されて叱られることになる。それでもタバコを吸う男子もいれば、学校にお菓子を持ってくる生徒もいて乱れた時期もあった。そんな時はまだ連帯責任という考え方があったので学年全体で反省の作文を書かされたこともあった。私はうるさく言われるのが嫌だったので他の男子たちほど反発することはなかった。この頃に「ボタンは全て留めるもの」という考え方は私の中で定着することになった。


 高校生になったときも当初は服装の検査はあって中学ほどうるさくはなくなったものの、ズボンなどは規定のズボン以外は見つかると全て没収されていた。私の学校では高校も学ランだったが、あまり服装が乱れると注意はされるものの、ホックを留めなかったりカラーを付けないくらいなら先生も何も言わないので、次第に男子たちの間ではカラーは外してホックも留めない方式が主流になっていくことになる。ところが私はカラーもつけてホックも留め続けていた。服装検査でも違反をしない私は先生たちの評判は良かったが、男子たちは厳しい校則に反発してズボンの自由化を求める署名運動を展開していたが私はルールは守るのが当然と署名を拒んだので最終的に足並みが揃わず私は男子生徒たちに不満をぶつけられることになった。逆に先生たちは回りに同調しない私に注目していた。


 この高校では夏は男子は一番上のボタンがある普通のカッターシャツだった(女子は白いセーラー服)。1年生の時から既に一番上のボタンを留める生徒は少なかったが、私はボタンを留めることが普通だと思っていたのでボタンは一番上も違和感なく留めていた。


 私が2年生の時に神戸の県立高校で発生した校門圧死事件をきっかけに厳しい校則は一気に形骸化した。服装検査がなくなり、男子たちは指定のズボンをはく生徒のほうが少なくなった。冬服もカラーを付けずホックをつけなくても何も言われないので真面目に留め続ける私の方が少数派になっていた。卒業アルバムでもカラーをつけてホックをつけて写真撮影を受けている人の方が少ない。夏服のカッターシャツでは生徒会役員でもボタンは上3つくらい外している男子も少なくない中で私は卒業まで一番上のボタンは留め続けた(詳しくは本編高校生時代にて、私も生徒会役員だった)。ボタンは留めるものという定着した私が自らの考え方を崩そうとしなかっただけである。


 大学生に入ると真面目過ぎた私も少しは変わるが、ことボタンに関しては変わらずボタンのあるシャツを着るときは夏でも一番上まで留めていた。襟元にもボタンがあるボタンダウンのシャツを好んで着るようになっていた。もちろんTシャツなどの軽装も増えていたが基本的な方針は変わらなかった。


 実はこの独自ルールは今でも変わっていない。今はフォーマルならともかくカジュアルではボタンは一番上のボタンは外しても構わない、むしろその方が一般的であることも分かっているが、私はボタンを一番上まで留めないと逆に違和感があるので継続している。時々私同様にボタンをしっかり留めている人を見ると安心する。



 今回は別段何の役にも立たない私のこだわり項目でした。




 何かにつけてルールを決めるとその変更を嫌がる傾向が強いです。予定と見通しは重要で、これが狂うとパニックに陥ります。社会に出ると予定の変更なんて日常茶飯事で、予定を変えられることは嫌うくせに自分は予定をしばしば変える。だから自分勝手な奴だと見られることになります。次回テーマはまだ決めていませんが引き続き応援お願いします。

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