前回の続きです。


職安(ハローワークと同義)の精神保健福祉士(以下PSWとする)と面談の予約が取れたので、約束の時間に管轄の職安に行くと障害者窓口の奥に小さなカウンセリングルームがあってそこで話を聞いてくれることになった。


担当カウンセラーは年配の禿げた男性だった。職安のカウンセラーに登用されるくらいなので経験は豊富で私から必要な情報を聞き出していく。初回の面談はインテークと言ってどんな面談であっても非常に重要な位置づけを占める。


私は統合失調感情障害で2回入院したこと、アスペルガー症候群(厳密には自閉症スペクトラム障害)であることも社会で生きにくい原因の1つになっていることを話した。職歴についても本編で触れた通りであるが団体職員10年、会社員1年4か月、福祉事業所3か月の正社員経験があることを話した。


空白の期間がどこにもあるので何をしていたのか聞かれると主に資格試験の勉強をしていたことを話した。当然何の資格か聞かれるので最初の期間は社会保険労務士、その後はPSWであることを話した。社会保険労務士は試験に合格できず頓挫したが、PSWは国家試験に合格して短期間であっても働いたことがあることにはこのカウンセラーも驚いていた。


その後にはこれからどうして行きたいか聞かれるので社会復帰に向けた方針を決めたいがいくつかの制約があって困っていることを中心に話すことにした。


以前の原稿でも述べたが、私は住民票上の住所は京都市、実際に住んでいるのは大阪という二重生活だった。その中で大阪で就労移行支援や就労継続支援(A・B型)で受け入れてもらえるところを探すことが今回の相談の1つの目的だった。京都で通うことならいくらでも可能という前提でそれでも大阪から通う方法が何かないかを探っていた。


その後は精神障害者保健福祉手帳(以下手帳とする)や障害年金について取っているか聞かれたので手帳は2級、障害年金は障害厚生年金3級で既に取っている旨話すと、


「やっぱり精神(PSWのこと)持っていると違うなあ」


とこのカウンセラーも舌を巻いていた。PSW持っている人にあまりアドバイスできることはないと言われたが、私は、


「それはどこに相談に行っても言われることで、制度のはざまで受けたいサービスが受けられない状況で困っているので相談に来たのです」


と話した。そうするとこのカウンセラーは、


「それではてつさんさんの社会復帰に向けてできる限り可能な限り制度も利用する方向で進めたいと思います」


と言ってくれた。大阪のこの地域を管轄する社会復帰施設の情報などは次回の面談時までに調べてくれることに決まり、2週間後の予約を取って職安を後にした。



話は次回に続きます。




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前回の続きです。本題に入る前に前回の補足があります。



前回の補足で1点目は障害年金額改定の請求について更新の診断書で額改定の請求をしたい場合は更新の診断書に額改定の請求書を添付する必要がある。これをしないで等級が据え置きになった場合は額改定の請求はいつでもできるが診断書をもう1通取ることになり、費用も時間も余分にかかるので注意が必要である。今の年金財政を見ても更新の申請で減額になることはあっても増額になることはまずないと考えたほうがいい。



もう1点は3級の年金で最低保障を受けている人のケースである。額の改定は請求できるが2級が認められて基礎年金が出るようになると最低保障はなくなるので従来の年金額に単純に基礎年金が増えるという計算にはならないことになる。ただ厚生年金の場合加入期間が25年未満の場合は加入期間25年として年金を計算するという規定があるので申請をして不利になるということではない。余談だが2級を受けている人で基礎年金と厚生年金合わせて平均で約10万円の年金額になるとのことである。



それでは本題。


私は退院してから年金の額改定の請求も一段落したところで社会復帰に向けた方針も決めなければいけなかった。通院は2週間に1回京都に行って診察と投薬を受けなければならなかった。これは自立支援医療があるので無料で受けられた(所得により異なる)。


まずはデイケアだが大阪で通うとなると実施している医療機関が限られていて車でなければ通えないところばかりだった。京都でなら通えるところもあるが拠点を京都に戻さなければいけない。この頃には京都で1人で暮らすことは大変だということも認識し始めていた。それでも大阪に拠点を移すという話にもならなかった。


就労移行支援施設なども京都にはいくつもあるが、デイケアと同じく通所するとなると拠点を京都に置かなければならない。退院直後で体力も気力も衰えている中で1人暮らしはやはり難しい。手帳や自立支援医療を大阪に移すにしても移転先の医療機関探しからしなければいけない。それが億劫ということもあってなかなか踏み切れないまま現在に至っている。


余談だが精神科の外来は最近うつ病などの患者が急増していることから完全予約制のところがほとんどで、初診で診察が受けられるまでに3か月前後かかるところも少なくない。この間に状態が悪くなったらどうするのかというと大抵入院という答えが返ってくる。このようなところに日本の精神科医療の脆弱さが見えてくる。


話を元に戻すと、ある日大阪某所の職安に用があって行く機会があった。そこの入り口のボードに精神保健福祉士による相談窓口がここにはあると貼り出されていた。これは京都の職安でもやっていない取り組みである。私も最初はそういう相談窓口があるのだなあというくらいの感覚でいたが、先の見えない私の状況を打開するのにこの窓口を利用してみようと徐々に考えるようになった。私自身も試験に合格しただけの精神保健福祉士なので精神保健福祉士がどんな対応をするのか、とりわけ職安のカウンセラーとなるとどんな話を聞いてくれるのか段々と気になり始めた。


とりあえず電話で精神保健福祉士の相談窓口について職安に問い合わせることにした。そうすると予約が必要とのことで1か月後くらいに2時間ほどの予約が確保できることになった。



話は次回に続きます。




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2回目の入院から退院した私はすぐに社会復帰を目指せる環境ではなかった。まずはデイケアか社会復帰施設などを活用してからでも遅くはないと考えるようになった。急ぎすぎて前回(2回目)の入院のような事態になってはいけないので慎重に探すことにした。


ただその間も生活があるのでその面での安心を担保しておく必要があった。当面は生命保険から出る入院保険金で何とかなるがすぐに厳しくなることに変わりはない。そこで私は障害年金の額改定の請求をすることに決めていた。これはそもそもどういう制度なのかというと障害年金を受給している人が障害の程度が重くなった場合に請求することで年金額の改定を申請できるというものである。


私がこの当時受給している障害年金は3級で、年金額は月額5万5000円ほどだった。3級は厚生年金だけなので2級に額改定の請求をして認められると基礎年金もつくのでおおむね2倍近い年金額に跳ね上がる。


障害年金の額改定請求は一定のポイントさえ押さえていれば割と簡単に受理してもらえる。申請先は管轄の年金事務所で、年金証書と額改定の請求書と指定の診断書があれば請求できる。ただ、通常の裁定請求と異なるところは診断書の有効期限が1か月しかないことである(通常の裁定請求の場合は3か月)。あと新規裁定の年金の場合は年金請求が受理された日から1年間は請求できない。ほかにもいくつか制限があるがここでは省略する。


私はこの制度を使って年金事務所に行き年金額改定の請求をしたい旨相談に行った。額改定の請求をする場合は障害程度が悪化していることが必要である。私の場合は2度目の入院を含めて障害程度の悪化が証明できるので年金事務所の担当者にこの制度を利用したいと話したところ額改定の請求書と診断書を各一部くれた。額改定の請求書は診断名や住所氏名等を書くだけである。診断書が一番大変で医師に頼んで書いてもらわなければいけない。


この診断書は医師も頭を悩ませるほどの厄介な文書である。医学的な所見のほかに生育歴や日常生活能力についても詳細に書く欄があって非常に時間と手間のかかる書類である。それに伴って診断書の料金も7000円前後と高額である。高いところでは1万円(税抜)というところもあるらしい。
精神の障害年金の診断書で重要なのは表面の医学的所見もさながら、裏面の日常生活能力欄がかなりのウエートを占めている。これらをこの辺りでチェックを入れてほしいとお願いして診断書を書いてもらうと医師も楽で認められやすい診断書になる。日常生活能力欄は10項目ほどあるが、1人で生活した場合を想定しているので普段家族にしてもらっていても自分でできるかどうかで判断されるので注意が必要である。


私は新規裁定の場合も日常生活能力の欄はこの辺りにチェックを入れてくださいと鉛筆で薄く書いてお願いしてそのままチェックをしてもらっていた。


この額改定の診断書も同様にチェックを鉛筆で入れてこの通りチェックを入れてもらうことにした。医学的所見もある程度症状に○を入れられるようになっているので自分に当てはまりそうなところを○を鉛筆で薄く書いてつけてもらうよう頼んでいた。


中には書いてくれない医師もいるらしいがほとんどの医師は書いてくれる。どうしても書いてくれない場合は最悪医療機関を変えるしかない。


私は診断書を年金事務所でもらった後に上記表面医学的所見の○印と裏面日常生活能力にチェックを入れてこの通りに書いてくださいと医師にお願いすることにした。当然のことながら2級が通るような内容でお願いすることになる。


次の診察で診断書を渡してお願いすると書いてくれることになった。


2週間後の通院で行った時には診断書が出来上がったので渡された。私は直ちにお願いした通りに仕上がっているかを確認してその足で年金事務所まで手続きに行くことにした。年金事務所はいつも混み合っていて待ち時間も長いが時間帯を選べば空いているときもある。閉庁間際が狙い目だがいつも空いているとは限らない。


私は額改定の請求書と年金証書、診断書をそろえて提出するとあっさり受理された。新規裁定の時はあんなに苦労して書類を集めたのでこんなに簡単に手続きが終わるとは考えていなかった。


これであとは4か月後には決定が出るのでそれを待つだけになった。現在3級または2級の年金を受給していて障害の程度が重くなった場合はこの手続きで年金額が増える場合があるので詳しくは年金事務所(基礎年金の場合は市町村役場でも可)に相談されたい。



話は次回に続きます。



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