前回の続きです。
前回1日で内側と外側両方から既成事実を固めたところまで書いた。内側の労働組合は私からの連絡があるとすぐに騒ぎ出したので予想通りの展開となった。ただ、私と詳しく面談をしない限り管理職側が知らないの一点張りをされると組合としても手も足も出ない。管理職側もどうやら知らないで通すつもりのようだ。
私はこの日の夜に事務局長宛で前々回の面談の概要を添付ファイルにつけて抗議メールを送りつけた。そのメールにはこの面談概要の事実の認否を回答するよう求める内容になっている。面談の概要については組合幹部の人にもメールで送った。
一方外側は労働局に相談したことで事業主名、面談日、面談の概要は記録が残っている。労働問題ホットラインにも相談した結果、闘い方は現行法律では3通りあることが分かった。
結果から言うと、難度の高い順に、
通常訴訟>労働審判>個別労働紛争のあっせん
となる。
通常訴訟は過去に離婚訴訟の話が続いたので読まれた方はお分かりだと思うが、訴訟を提起する側が立証できなければ勝訴は難しい。訴訟法の手続きにのっとらなければいけないので弁護士が不可欠で費用が着手金だけで30~50万円かかる他、判決が出るまでに最低でも約1年の時間がかかる。相手に訴訟でも勝てると言われたからと言ってはいそうですかと言って訴訟をしていては相手は事業主なので顧問弁護士もおりリスクが高すぎると読んだ。
私はこの年にできた労働審判の制度についてインターネットで詳しく調べていた。この審議は地方裁判所で行われることは通常訴訟と同じだが、労働審判委員会という裁判官1人と労働問題に詳しい学識経験者(大学教授など)2人合計3人で構成される。審議は3回以内を原則としてそれまでに双方の合意がない場合は審判に移行するという性質のものである。これは当事者の一方から申請があれば参加は拒否できないが、審判の結果に不服がある場合はどちらかが2週間以内に異議を申し立てると無効になる。通常訴訟に比べると簡便な制度になるが制度ができたばかりでどのように運営されるのかが全く読めなかった。
個別労働紛争のあっせんについては前回説明したので省くが、あっせんの手続きをして不調に終わったら労働審判や通常訴訟に移すことは可能である。それならば1番簡便なあっせんを申請して解決につなげられたらいいと考えていた。
あとは闘いの方針である。復職を前提とするのか、退職を前提とするのかで組合との連携も含めて闘い方が大きく変わる。憲法25条で規定している生存権を守ろうと高らかに運動している団体の管理職が今回1番弱い立場の労働者の私を潰しに走ったのである。私は団体の基本方針を自ら否定するような団体で今後復職して一緒に仕事を続けようとは考えられなかった。
したがって私は退職を前提として事業主に闘いを挑むことに決めた。この時点ではいつ退職するかは決めず、休職の期間が切れる6月下旬か3ヶ月休職を延長して9月の下旬のどちらかで退職する方向で準備を進めることにした。診断書は前回の通院のときに引き続き3ヶ月休養加療の診断書をもらっていた。
こうして闘い方とその方針が決まったら、次の日の夜に組合の面談に備えることになるが、組合幹部の人がメールでこの年の春闘がこじれている原因を教えてくれた。どうやら労働基準法上の管理監督者を大幅に増やそうとしているらしい。目的は残業手当の抑制だが、これは表向きで管理職は残業手当のない自分たちよりも残業手当の出る部下の方が年収ベースで高くなることが不満だったようだ。どうやら組合に対してもかなり横暴な行動に出ているらしい。
労働組合には幹部との面談の時に私は退職を前提として闘うことを告げることにした。後は管理職が私が送りつけた抗議メールにどう回答するかで以後の私の対応を決めることにした。
話は次回に続きます。
「本日の豆知識」
労働基準監督署は悪質な労働法違反事例については被疑者を逮捕できる権限があります。実際には逮捕まで至る事例はまれですが立ち入り検査などする権限もあるので事業主にとっては監督署は恐い役所です。それでも違法行為はなかなかなくならないのが現状のようです。
話を引っ張って申し訳ないですが、どうしても長くなるので書ききれません。あと2回前後で闘い方の概要が明らかになりますので応援お願いします。
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