時代を先取りする感性マーケティングって? 第5回 | 感性トレンド研究日誌

時代を先取りする感性マーケティングって? 第5回

みなさま、こんにちは!
感性マーケティングコンサルタントの手塚祐基です。

今回も前回の続き、

「男女の脳の違いがどんな感性の違いをつくるのか」その2です。

私が敬愛する黒川伊保子の著書で
『キレる女 懲りない男』ちくま新書があります。

このタイトルは、出版社の会議での男性の一言から決まりました。

「女性の一番怖いところは、突然キレることだよね~。」
と男性が発言。

これに、女性陣が「突然キレることなんて無い!」と反論。
男性は、女性が嫌がっても懲りずに何度も繰り返す、
それで女性はキレるのだと。

キレるのは、突然ではなくて、何度もの繰り返し後なのですよ~。

例えば、「家に帰るなり、居間に靴下を脱ぎ捨てる夫」
妻は、「靴下は洗濯機に入れてよ!」と怒る。

しかし、夫は、妻の言うことは聞かないで、
毎日、これを繰り返す。

いかに女性が臨機応変に、やり過ごしても、
3年後には、1000回を超え繰り返されるわけで、

妻は、この先もそうなのかと未来に向かっても絶望します。

夫は、靴下を居間に脱ぐというのは、
些細なことだから、たとえ繰り返していたとしても、
妻は許してくれている、と思っています。

それに、「たいしたことじゃないし~。」と。

女子の皆さん、「えっ、...メラメラ。」
ですよね。

そうなんです。
男性には、女性の積もり積もった気持ちがわからないのです。

大切だと思うことが、男女では違う。

相手に応えて欲しいことも男女で違うのです。

そして、仕事上でも。

男女で合理的と考えることさえ、違います。

女性がたくさんあれこれ話すのを、
男性は、合理的ではないと感じます。

男性が律儀に週報を書いて、一言で済みそうなことを
提案書にするのを、女性は合理的ではないと感じます。

ここで、
2、臨機応変な女性脳と俯瞰力で秩序を重んじる男性脳、をお話しします。

例えば、部内会議で、社長決済を仰ぎたい提案が出たとします。

この場合、よくあるのが、部内の女性係長が、
「部長、あの件、さっきエレベーターで
社長と一緒になったので、話しておきました。
OKだそうで~す♪」という行動。

部長のために頑張りました。
お手柄でしょ?と、彼女は思っています。

部長としても、うまくことが進んでよかったのですが、
無意識にいやな感じが芽ばえます。

これが、「彼女は仕事は出来るが、協調性が無い。」
とか、「自分本位で部内の和を乱す。」
とかいう評価につながります。


臨機応変な女性脳は、彼女が思う合理的な方法で、
職場に新風を吹き込みます。

しかし、要注意なのは、男性脳が秩序を重んじる
ということ。無意識に、なので根が深い。

彼らは俯瞰的に筋道を気にしながら、行動しています。

ですから、新入社員や、係長、課長が、
いきなり社長に物申すのは、ご法度です。

社内の組織図の繋がりを良く思い出してください。
あの表は、知っている人を見つけるためのものじゃなくて、
伝達の秩序を表しています。

まあ、縦のつながりだけではなくて、
自由なつながりが必要と感じることも多いですが、
その場合は、課題ごとに、その自由さが必要なことを
上司に認めてもらってからにしましょう。

社内改革を進めようと臨機応変を奨励している会社もあります。
でも、頭では、臨機応変は必要、とわかっていても、
無意識の感性は、男性脳であれば、この臨機応変さにムカつきます。

何を報告しても、「オレは聞いてない!」と
怒り出す上司がいたら、

それは、あなたが、何か越権行為をしている可能性大です。

ともかく、女性脳の考えは、
必ず、男性脳に報告しないとわかってもらえません。
細かなことでも、言わなくてもわかるよね、ということでも
まめにコンパクトに報告しましょう。

男女は、仕事をやり遂げようとする気持ちは同じでも、
考えや、行動が違うところがあるのです。
「この情報が重要だ」と気になることも違います。

このことは、変化の時代には、プラスになります。
トップ企業に挑戦する企業にも、いいのです。

男性には常識のことで、誰も疑問に思わないことも、
丁寧に説明しなくては、女性にはわかってもらえません。

この手間が、実は、変革を産みます。
今まで考えなかったことを考えることが
きっかけになって、違うやり方を発見したり、
トップ企業とは違う価値の提供につながります。

変革が必要なとき、
今までと違う見方をする女性脳が戦力になるのです。

さて、男女脳の違いは、ご紹介したことのほかにも
ホルモンの違いなどもあるのですが、
この話しはまたのちほど。

男女脳の話しは、これくらいにして、
次回は、感性トレンドの話に戻します。

男女脳で出てきた、左右の脳の連携が良い場合と、
左右の脳の連携をあまりしない場合が、
流行をつくる、という仮説。

これが感性トレンドです。

次回、事例も交えてお話しますので、
どうぞお楽しみに!