ラグビー野郎 | お宝映画・番組私的見聞録

ラグビー野郎

前回は岡田洋介について追ってみたのだが、その槙健太郎時代に東映映画に5本ほど出演していると書いた。折角なので、その中から「ラグビー野郎」(76年)を取り上げてみたいと思う。
内容は大学のラグビー部を舞台にした青春ものだが、あらすじを見た限りでは、びっくりするくらいフツーのスポ根ストーリーである。
主演は何故か千葉治郎こと矢吹二朗。何故かと書いたのは、デビューから結構たち、当時27歳だった彼が大学生役で、主役というのも不思議な感じがしたからである。ちなみに今回の役名が矢吹二朗。この名をもらって本作より千葉治郎は矢吹二朗と改名したのである。
おそらくそのラグビー部同級生なのが南條弘二や、元岡田洋介の槙健太郎である。この時代だと南條が主役の方がしっくりくる気がする。
副将役は伊吹吾郎ではなく伊吹新吾。大映のニューフェースでありながら役に恵まれず端役も多かった。しかし伊吹剛と改名するや「Gメン75」の中屋刑事など広く知られるようになる。彼は改名して成功した例であろう。
監督役はおなじみ谷隼人。彼もデビュー時は本名の岩谷肇で、一時期岩谷隆弘を名乗ったこともあるが、結局谷隼人である。プロフィールにはないが、「特別機動捜査隊」出演時に原佑介名義で出演したこともある。
ヒロイン役はいけだももこ。小林亜星との「リンゴがひとつ」を覚えている人もいるだろう。草刈正雄が新・若大将を演じる「がんばれ!若大将」でもヒロインに抜擢されたりして順調だったのだが、この「ラグビー野郎」を最後に結婚して引退してしまった。22歳であった。ちなみに、若大将での役名は岡本鮎子だったのだが、結婚した相手は岡本さんという人で、岡本百子になったのであった。
とまあ、ここまでは青春映画といえるキャストだが、ラグビー部OB役が山本麟一に福本清三で、他にも岩尾正隆、白井孝史、志茂山高也といったピラニア軍団の面々(山本や福本は加入していない)も出演している。
あと、忘れちゃいけない兄貴・千葉真一も顔を出している。
矢吹二朗は82年に引退。しかし、「仮面ライダー」など特撮関係のイベントに顔を出すこともあり、その時は千葉治郎として出演しているという。個人的にも千葉治郎の方がしっくりくるのである。