水戸黄門 天下の副将軍/助さん格さん大暴れ | お宝映画・番組私的見聞録

水戸黄門 天下の副将軍/助さん格さん大暴れ

さて、そろそろ水戸黄門ネタにも飽きてきた頃だと思うのだが、今回も黄門ネタである。
それでは問題。水戸黄門、佐々木助三郎、渥美格之進のすべてを演じた俳優は誰?
考えなくても、すぐ見当はつくと思うが里見浩太朗である。ずっと助さんをやっていた里見が、ついには黄門に昇格したのは大体の人は知っているだろう。ではいつ格さんを演じたか?
それは「水戸黄門 天下の副将軍」(59年)においてである。おそらく、これ一度だけと思われる。
黄門は月形龍之介、助さんは東千代之介。東は57年からの月形黄門シリーズの3作で助さん役を演じている。他にも中村錦之助、大川橋蔵、丘さとみ、若山富三郎といった若手スター、そして山形勲、進藤英太郎、そして大河内傳次郎といったベテラン勢、そして美空ひばり。多くの時代劇映画に出演している彼女だが、「水戸黄門」映画は意外にも本作だけのようである。映画はヒットし、配収はこの年の邦画第8位になっている。
そして月形黄門映画の最終作となったのが「水戸黄門 助さん格さん大暴れ」(61年)である。
とはいっても、タイトルどおり助格の二人が主役という感じで、若き日の二人が描かれる。月形黄門は年を重ねているが、二人は若返り、助さんを近衛二世の松方弘樹が、格さんを右太衛門二世の北大路欣也が演じる。共に当時19歳であった。ちなみに千恵蔵二世の植木基晴は彼らより年下だが、既に引退していた。
他の出演者は、当時「東京ドドンパ娘」で大ヒットを飛ばした渡辺マリ。この年6本もの映画に出演しているが、他にはなくヒット曲も生まれず短い活躍に終わっている。美空ひばりは前述のとおりだが、本作にはその弟である花房錦一(香山武彦)が出演している。
ネタバレすると、本作は夢オチだったりする。前述のとおり本作で月形の映画版黄門は終了するが、この後テレビ版の月形黄門が64年よりスタートするのである。