S・Hは恋のイニシャル | お宝映画・番組私的見聞録

S・Hは恋のイニシャル

伊東ゆかりで、テレビドラマといえば「S・Hは恋のイニシャル」(69年)を思い浮かべる人も結構いるかもしれない。個人的には、直接見たことはないけれども。
主演はドラマ初主演の布施明。といってもこれが最初で最後の主演っぽいのだが。
ストーリーだが、布施と友人の石立鉄男がバスの中で、絡まれている人を助けて多少出血。そこにハンカチを差し出すのが伊東ゆかりである。彼女は名も告げずいってしまうが、そのハンカチにS・Hのイニシャルが。で、彼女を探すが中々めぐり逢えない。まあ逢ってしまったらドラマにならないのだが。
で布施に絡んでくる女性、梓英子、ジュディ・オング、小山ルミのイニシャルがみんなS・Hだったりする。それぞれの親の役に大坂志郎、中村竹弥、そして森繁久弥といった重鎮が並ぶ。ちなみに、梓英子は60年代半ばから70年代半ばに活躍していた女優で、デビュー作は「青い乳房の埋葬」という妖しいタイトルの映画である。
布施は新聞社のテレビ欄担当という設定なので、いろいろな芸能人・有名人が登場したらしい。大原麗子、森進一、戸川昌子あたりはその枠であろうか。他にも毒蝮三太夫、西崎みどり、園まりの実姉・深山ゆりなども出ている。
ラストはどうなるかといえば、布施の友人役で竹脇無我が登場。その婚約者として紹介されるのが伊東ゆかりだったというオチ。で他のS・Hさんとうまく行くのかといえば「俺はまだ縛られたくない」と唐突に走り出して終わるらしい。
脚本は松木ひろしだが、二本ほど向田邦子が書いているようだ。ところでこの番組、今はパナソニックな「ナショナル劇場」の枠で放映されており、この翌週からスタートするのが「水戸黄門(第一部)」なのである。