ザ・ガードマン その2 | お宝映画・番組私的見聞録

ザ・ガードマン その2

唐突だが、「ザ・ガードマン」(65年~71年)である。2ヶ月くらい前だが、CSファミリー劇場での放送が最終回を迎えた。全350話を週1話ペースだったので、当然本放送と同じ約7年にわたる放送となった。このブログがスタート(3年前)してすぐに取り上げているが、今回改めて見直してみたい。
全350話のうち第39話「私は人殺しなの」は放送が飛ばされている。まあ現在の地上波では放送できない内容の話なのだが、少し遅れて放送をスタートしたTBSチャンネルでは放送されたし、DVDにも収録されているので、ファミ劇でも放送してよかったんじゃないかなと思う。まあ、結局1話も封印されているエピソードがないのは意外なような気もする。
サブタイトルは第1話「黒い猫」をスタートに「黒い微笑」「黒いアスファルト」「赤いエレベーター」と簡潔なものが続いていたのだが、終盤70年代に入ると「高校生奥さんのハレンチ作戦」とか「ハレンチ夫婦の幽霊殺人」とか「ハレンチ奥さんの完全犯罪」とか「セクシー娘、お色気捕物帖」とか「ドッキリ喜劇、ヌード売ります」とか、もはや何の番組だかわからなくなっている。まあ、初期と後期で大きな内容の変化は感じないのだけれども。
初期の頃はOPにもレギュラーの名前が出ていた。番組タイトルにも「東京警備指令」がついていた。宇津井健(高倉キャップ)→藤巻潤(清水)→川津祐介(荒木)→稲葉義男(吉田)→倉石功(杉井)→中条静夫(小森)→清水将夫(三原チーフ)の順であった。このうち清水将夫は通算4回ほど登場して、自然消滅し、代わりに第2話から榊警部としてセミレギュラー的に登場していた神山繁が、第45話より唐突に転職してきてレギュラー入りし、お馴染みの七人となり、番組タイトルから(47話より)「東京警備指令」がとれた。

この中で宇津井、藤巻、中条、倉石は大映の俳優であり、宇津井、藤巻はスター的存在であったが、中条はほぼ無名の大部屋俳優、倉石は<ミスター平凡グランプリ>の経歴を引っさげて大映ニューフェース入り(16期、藤巻は11期)したわりには、パッしていない状態が続いていた。川津は松竹の役者としてそれなりの実績があったが、当時はフリーの状態で64年くらいから大映作品にも登場しはじめていた。神山は文学座出身で、60年頃は日活アクションに登場し、63年くらいから大映作品に登場。宇津井や藤巻ともよく共演していた。番組レギュラー入り後は何故か大映ではなく東宝作品への出演が増えている。稲葉は「七人の侍」(54年)の五郎兵衛役が有名で、エキストラ出演していた宇津井とはある意味共演していたことになる。
全体を通してみると、やはり宇津井と藤巻が主役となる話が断然に多かった。アクション場面が多いのでどうしても若手の活躍が多くなるのだが、中条、稲葉のベテラン勢も頑張っていた。この番組でレギュラー陣は全員人気を得たが、一番<出世>したのは中条静夫ではないだろうか。番組終了後の活躍は際立っていた。逆に藤巻潤、倉石功の若手はあまりパッとしなくなっていった気がする。
89年ごろ、この7人が十数年ぶりに集結したサントリー「ウイスキー&ソーダ」のCMが流れた。その時の順番は川津→神山→中条→藤巻→倉石→稲葉→宇津井となっていた。7人中の4、5番目というのは一番目立たないポジションといえる。ちなみにサントリーは当時のスポンサーでもあった。次回に続く。