和光堂、高齢者食品市場へ加速 | TeTe-News

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 食品各社の高齢者向け食品市場への事業強化が活発化しています。

 5月30日の日経産業新聞には、和光堂が取り上げられていました。今春、介護食の新製品を10品目発売して品揃えを一気に2倍にしました。

 市場調査会社シードプランニングは、2016年度の高齢者向け食品市場は、2011年度比48%増という数字をはじいています。

 和光堂が高齢者向け食品に進出するきっかけになったのは、1995年の阪神大震災、と記事にありました。避難所にベビーフードを送ったものの、乳幼児は親戚の家などに移り住み、実際にベビーフードを食べたのは高齢者だったのだそうです。

 皆さんも和光堂といえば “ベビーフード” と思われたことでしょう。この加工技術を介護食に応用しているのです。

 ただ、それだけではない懐の深さを感じる企業です。和光堂の歴史は興味深いものです。


 和光堂の創業は、1906年(明治39年)。日本小児医学の創始者である弘田長博士が開いた和光堂薬局に始まるといいます。当時、あまりにも高い日本の乳幼児の死亡率に心をいためた弘田長博士は、栄養不良で亡くなる赤ちゃんを何とか救いたいとの思いから育児に必要な医療用品などを、留学経験のあったドイツより輸入し、治療や指導販売を行ったそうです。

 同社ホームページの “和光堂のあゆみ” には“日本初”が並んでいることに驚きます。
・日本初の小児科学の講義 (東京大学医学部)
・日本初の小児保健所 (大阪市内でも最も乳幼児死亡率の高かった市岡元町に1927年 (昭和2年) に開設。1937年 (昭和12年) に保健所法が施行されて、小児保健所の活動は次第に国の保健所に吸収されていくまで、私設の小児保健所が機能していた)
・日本初の小児用粉ミルク “キノミール”
・日本初のベビーフード “グリスメール”
・日本初のベビーパウダー “シッカロール”

 http://www.wakodo.co.jp/company/history/establish.html


 口腔ケア用のウェットティッシュなど、介護用品も手掛けており、今後の展開が期待されます。なお、同社はアサヒグループに属しています。