パン屋終了、レモン屋に専念します! | 豊島 みくに園通信

豊島 みくに園通信

みくに園でのイベントやお知らせなどを、
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 みくに園のパン屋は6月末をもち、終了させていただきます。

みくに園がパン屋を始めてから11年、香川県庁への配達を始めて8年の月日が

流れました。(その後、高松市役所、教育センターへも広がりました。)

当時は入所更生施設は利用者の「仕事」よりも「保護」(生活のお世話)でよい時代

でした。その中で「障がい者が働くことの意味」を問い続けながら、社会で認められる

商品作りに努力を重ねてきました。同情で買ってもらうのではなく、商品そのものの

価値を認めて買っていただきたいとレベルアップを目指し、レモン商品になると

いくつかのデパートが置いて下さるようになりました。

 すべてがパン屋からのスタートでした。

この度、パン屋は長年の役目を終えることになりました。次のステップアップとして

「レモン屋」に専念することにしました。パンは珍しくありませんが、無農薬の豊島

レモンを使ったレモン商品は貴重です。大阪のデパートの催事に出店していても

リピーターの方々が来て下さるようになりました。この機にもっと香川の皆さまにも

豊島のレモン商品を知っていただきたいと思うようになりました。レモンケーキは

小麦粉も「さぬきの夢2000」を使用するなど、できるだけ香川県産の材料を使用する

よう心がけております。微力ながらも、知的障害者が香川県、豊島のイメージアップ

の使命も担いつつ、努力していきたいと思っています。


 県庁での8年間は奇跡でした。パンは焼けたのに強風のために船は欠航ということ

もありました。島の施設のパン屋が続けられたのも皆さまのおかげです。

先日もパン配達当日早朝6時過ぎにみくに園に電話が入りました。

高松市役所のある部署の方からでした。

「すみません!注文のFAXを送り忘れていました。間に合いますか?」

すぐに7時過ぎにFAXが届きました。おそらく慌てて早朝出勤をされたのだと思い

ます。パンの注文のために。各部署の担当の方はボランティアで注文票を回し、

代金を回収して待っていて下さるのです。一人一人から何百円かずつを集めて、

当日配達する、言葉のない自閉症のF君やNさんに渡して下さるのです。

「ごくろうさま!ありがとうね」と。

 早朝の電話の話を聞き、職員皆で心から頭を下げました。

みくに園のパン屋に協力して下さった香川県庁、高松市役所、教育センターの皆様、

本当にありがとうございますと。

 これからはパンではなく、レモン商品を届けさせていただきます。

障がい者が県庁や市役所等に出かけることは意味のあることと思います。

社会で認められる商品を携えて自信を持ってお届けしたいと思います。

新しい商品も創り出す予定です。

7月からみくに園は「レモン屋」になります。 どうぞよろしく! 

     奇跡の8年間を心より感謝して。

                                (kame カメ )