高原にしっとり佇むPODO HOTEL
済州島 伊丹潤建築めぐり、
まずはじめは、PODO HOTEL です。
PODO(ポド)とは葡萄のこと。
ホテル全体を覆うひとつながりの屋根が、
まるで葡萄の房のように見えることから名づけられたそうです。
ホテルのエントランスにも
葡萄が植えられ来訪者を温かく出迎えてくれます。
済州島の内陸部、に位置するこのホテル。
車で点在するゴルフ場を抜けて、
ホテルに近づいてくとやがて、特徴的なフォルムの屋根が見えてきます。
アイレベルからみると、
それはまるで、周囲の山の稜線と呼応しているよう。
ホテル内部のしつらいは、
決して派手ではないけれども、適度に空間が分けられ、
心地よいスケール感で統一されています。
視線は、水平に伸び、
歩みを進めるごとに様々なシーンと出会うことになります。
葡萄の実ひとつひとつを
丁寧につなぐその移動の空間は、
このホテルの魅力のひとつとなっています。
宿泊施設というものは、その性格上、
建物全体が長く単調になりがちなのですが、
PODO HOTEL の場合は雁行(段々にすること)と、
所々に仕掛けられた周囲の風景を取り込みによって
多様な場をつくりだしています。
伊丹潤氏は在日韓国人であり、日本と韓国
両国の伝統様式に造詣が深い人物ですが、
木組みの天井や柿渋の塗り込められたクロス、
積み上げられた赤レンガの表情を見るにつけ、
素材に対する氏の深いまなざしを感じることができます。
今日はここまで。
明日は客室についてご紹介します。
済州島 伊丹潤建築巡り 一覧
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・ 済州島と建築家伊丹潤
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