意味不明(あるいは意味深?)なタイトルですいません。じつは今日もドラマの話題です。
『SHERLOCK (シャーロック)』という海外ドラマを見たんですよ。ご存じシャーロック・ホームズが主役のドラマ。
制作したのは、英国放送協会(BBC)。BBCが作ったんだから、そりゃもー、本格的なシャーロック・ホームズものだと思いますよね。
ところが、こんどのはけっこうひねってます。
じつは、今作の舞台は「現代」なのです。まさか、ホームズがタイムマシンで現代にやってきちゃったとか? いや、それもおもしろいと思うんですが、そーではなくて、シャーロック・ホームズの設定を、そのまま現代に置き換えてみましたという趣向のドラマです。
わたくし、シャーロキアン(ホームズシリーズの熱烈なファンのこと)を自認してますが、じつのところ、原作のことを「聖典」と呼ぶほどのめり込んでるわけじゃないので、ホームズものの変形も好きなんです。
最近では、ロバート・ダウニー・Jr.が主演で映画が2本作られましたよね。彼はアメリカ人だけど、肝心の監督は英国人のガイ・リッチー。ロバート・ダウニー・Jr.は、原作の雰囲気とはだいぶ違うけど、ぼくはすごく好きなのです。
で、今回のドラマですが……
うーん。ホームズ役の役者が、ちょっと若いかな。主演はベネディクト・カンバーバッチというイギリスの役者さんで、御年36歳だそうです。
原作のホームズは、たしか20代の後半でワトソンとルームシェアをはじめるので、36歳という年齢は、けっしておかしくはない。
でもね、ホームズ役と言えば、ジェレミー・ブレッドというくらい(ぼくの中では)イメージが確立しちゃっているので、40~50代というのが、やっぱりホームズの雰囲気なんですよねえ。
その点、ロバート・ダウニー・Jr.は、年齢的にもど真ん中。ストライク。
と、やや違和感を感じつつ見ていると、いや、これはこれで、おもしろいぞと思いはじめました。設定が現代ですから、ホームズさんってば、スマートフォンでガンガン検索するし、事務所ではノートパソコンで調べ物。もちろん原作でよく使われる「電報」なんて手段はなく、ぜんぶ電子メールでございます。しかも、ホームズってば、禁煙中だし(苦笑)。
まさに現代の名探偵。タバコは吸えない……じゃなくて(笑)スタイリッシュでございます。
でもね、偉大なる先達ジェレミー・ブレッドが作ったホームズ像を、リスペクトしてるところもあって、ジェレミー・ブレッドがよくやってたホームズの仕草を再現してるところがあったりして、そーいうのを発見してはうれしくなっちゃう……ところが、シャーロキアンなんですなあ、ぼくも(笑)。
が!
が!
が!
シーズン1の最後に姿を現した(シーズンと言っても、たった3作ですけど)、宿敵モリアーティーはいただけない!
モリアーティーは、ホームズよりもイメージが確立していないから、いじりやすいとは思うんだけど、今作のモリアーティーは、今まで見たホームズモノの中で最悪。
ご存じない方のために書いときますが、モリアーティーは、もともと数学の教授で、犯罪の天才。ホームズ曰く「彼は犯罪のナポレオンだよ、ワトソンくん」と言うくらい、恐ろしい男なんですが、今作のモリアーティーは、ただのサイコキラーなんです(涙)。
でも、シーズン2(シーズンとはいえ、やっぱり3作だけ)では、もうちょいマシな扱いになっているようですが……そちらはまだDVDになっていないので見ておりません。
いろいろ書いちゃったけど、けっこうおもしろいドラマですよ。ちなみにシーズン1は、英国アカデミー賞最優秀テレビドラマ賞に、エミー賞ミニ・シリーズ部門脚本賞を受賞しているそうです。
シャーロック・ホームズのファンなんて、そんなにいないでしょうけど、興味のある方は、ぜひどうぞ。
あ、そうそう。忘れるところだった。
タイトルの「高機能社会不適合者」ですが、ドラマの中で、ホームズが変人って呼ばれる場面があって、そのとき彼が言い返すんです。「ぼくは高機能社会不適合者だ」って。
よーするに、頭がよすぎて、社会に溶け込めないってことを言いたいようです。