Love so sweet ~ やま ㊾ ~ | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



晴れやかな昼下がり。

窓から差し込む陽はずいぶん短くなり、

智君がかわいがっている観葉植物の葉も、緑が眩しい。

俺はダイニングで頬杖をつく。

傍らにはノートPCとタブレット。

数冊の本。

コーヒー。

携帯も駆使して、企画書を練り上げる。

俺がキャスターを勤める番組で、取り上げて欲しい企画。

頭を悩ませながら打ち込んでいく。

どうアプローチする?

コンセプトは……。

カチャカチャと響くキーの音。

でも、俺の意識の半分は、リビングの奥の智君の部屋に注がれる。

シーンと静まり返ったドアの向こう。

時折、コトッと音がすると、ああ、智君もがんばってるんだと確認できる。

智君は目下(もっか)、作品作りに余念がない。

個展開催が決まったからだ。

ギリギリまで描くという。

少しでも多くの作品を展示するために。

今回は大作が多く、点数的にはちょっとさびしいらしい。

そんな智君を、俺は大きな心で見守っている。

否、どうしたら、サポートできるのか考えてみたが……。

如何せん、アートに関してはすこぶるつきの門外漢。

作品を見て、感動することはできても、

サポートできるほどの知識と教養、パイプに乏しい。

俺にできること……それは、智君の心身の安定を援護すること。

これに尽きる。

なんと言っても俺は智君のアートの一番のファンであり、信奉者なのだ。

最高のコンディションで智君をキャンパスに向かわせたい。

その為に、俺はいろいろ我慢している。

夜も……毎日でも、それこそ何回でも……と思ってしまうのを必死に抑える。

俺の欲求なんかの為に、智君のエネルギーを使わせるわけにはいかない。

俺の欲求なんか……。

俺の……。

わ、わかってるよ。

わかってるけど、俺の智君不足もそろそろ限界で、

どうやったらあの部屋のドアを開けられるか考えてる。

アプローチは……コーヒー持ってく?

それは昨日使ったな……。

夕飯……にはまだ早い……。

智君の好きそうな、おいしそうなパン屋があって……なんて陳腐?

俺はあのドアをじっと見据える。

大きな砦のように見える。

難攻不落の砦。

いやいや、無敵艦隊だって敗北したんだ、

アプローチをきっちり考えればなんとか攻略できるはず!

智君が興味を持ちそうな……。

いやいや、アプローチよりもコンセプトだ。

コンセプトがしっかりしてない企画じゃ、企画はまず通らない。

コンセプト……智君がコンディションを崩さず、かつエネルギーになり、

俺も満足できる……。

俺が必死に考えていると、意外とあっさり難攻不落の砦が開く。

「……智君?」

「ちょっと休憩。」

智君がふにゃりと笑う。

ああ、癒される。

智君の笑顔。

「コーヒー淹れようか?」

「うん。でもその前に……。」

智君が俺の後ろに回って、俺をぎゅっと抱きしめる。

「エネルギー補給。」

「智君……。」

俺は下がる頬を意識しながら、前に回された智君の腕に手を添える。

「エネルギー補給……もっといっぺんにできる方法、ありますけど?」

「……それは逆にエネルギーが減るやつじゃないの?」

「大丈夫。智君はただ、マグロのように寝てて。後は俺が……。」

「ば~か。」

智君がクスクス笑いながら俺の、首筋とも頬とも取れる場所にキスした。

「おいらはこれで十分。」

「智くぅ~ん!」

俺は振り返って智君の顔を見上げる。

「翔君、そんな顔しないの。」

智君がクスクス笑いながら、俺の前髪を掻き上げる。

「今のがひと段落したら、いっぺんにエネルギー補給してもらうから。」

俺の顔が心が、一瞬で花開く。

「智君!」

「翔君だって、仕事、片付いてないんだろ?」

「え?ああ、全然大丈夫。すぐ済むし、締め切りがあるわけじゃないから。」

俺はさっさとテーブルの上を片付け始める。

「んふふ。そんなに急がなくても、まだ終わんないから。

 それより、まずは翔君のコーヒーでエネルギー補給したい。」

「任せておいて。」

俺はキッチンに立ってコーヒーの用意をする。

智君が向かいに座り、ニコニコしながら、俺の動きを見ている。

ああ、これだけで、俺のエネルギーは補給されていく。

「今、描いてるのってさ……。」

俺はコーヒーを淹れながら話しかける。

智君のずっと後ろで、窓辺にある観葉植物の葉が揺れて、緑の光を放つ。

智君が早くひと段落するために、愛情込めてコーヒー淹れるからね。

フィルターの中で豆が丸い山を作る。

愛情が入った証拠。

俺は嬉しくてにっこり笑う。

そんな俺を見て、智君がずっと笑ってる。

この時間が何よりのエネルギー補給。

そうだ。いっぺんにエネルギー補給のコンセプト考えなくっちゃ。

俺がそう思ったとき、智君の眉間に皺がよった。