形あるものはいつか壊れるもの

天井桟敷でもたまにお皿が割れたりグラスがチップしたりということがあります。
厄介なのはグラスで、飲み口が欠けていたりすると危ないですし、第一、折角の食事の時間を台なしにしてしまうので、アルバイトのスタッフも取扱は気を使ってくれています。
万一、欠けたグラスを見つけた時は、どこが欠けたとかメモをつけてストックから外すのですが…

ある日のこと。
そろそろ新人アルバイトも卒業できるかなぁ、という時期に差し掛かったSP君は、近頃見かけることも少なくなった真面目で熱血漢の好青年。
グラスを磨いていたところ、チップしたグラスを見つけて弾いていてくれました。
こんな時は彼の丁寧な仕事ぶりが際立つ瞬間です!
カウンターに置かれたグラスの下にはきちんとメモが挟まれています。
「床が欠けています」

えっ?
床が?
そりゃあぶない!
SP君、どこの床が欠けたの?

ところがSP君、なかなか教えてくれません。

そりゃ教えられないよね。
だって「グラスの底が欠けている」って書きたかったんだもんねぇf^_^;
$天井桟敷の人々


でもね、フツーはグラスの脚が欠けていますって書くもんだよ。

SP君。
あなたを見守るみんなの暖かい目はきっと永遠に壊れることはないよ。

愛すべきスタッフに恵まれ、静かに更けていく天井桟敷の夜でした。

皆様、天井桟敷にお越しの際には、是非ともSP君を励ましてあげてください。