京都 アイリッシュ・ハープサマースクール2013 終了! | アイリッシュ・ハープ研究家、奏者、制作者、音楽教育者 寺本圭佑

アイリッシュ・ハープ研究家、奏者、制作者、音楽教育者 寺本圭佑

アイリッシュ・ハープ研究家、奏者、制作者、音楽教育者、寺本圭佑の教室やイベントについて書いています。

8月23日からの3日間、京都アトリエリンデンでのアイリッシュ・ハープサマースクール、無事終了。今年も東京や川崎など遠方からもご参加いただきました。


午前中は金属弦ハープの基礎技法を練習するコース、午後は応用編として、今年は金属弦ハープのレパートリーをどのように拡張するかということをテーマにしました。


初日の基礎編は指の準備と、ダンピングの練習、Wo betyd thy wearie bodieを練習。
午後は、はじめピブロッホの Earl Wigton's Lament をやる予定でしたが、曲が長すぎて覚えられないということもあり、モンセラートの朱い本から O Virgo Splendensをやって、The Owls of Alnwick Castle で装飾音の練習をしました。


2日目は前日よりもさらに参加者が増えて、賑々しい会となりました。
午前中はダンピングの練習、Strathpeffer Jig、The Owls of Alnwick Castle、様々な装飾音について練習しました。複数の金属弦ハープで装飾音を練習していると、倍音がすごく聴こえてきて、高い声で天使か誰かがしゃべっているような錯覚を起こしました。この倍音の神秘的な体験は、金属弦ハープならではの魅力だと思います。


午後は今年で成立400年となる『ロバート・アプ・ヒュー手稿譜』から≪老バグパイプ奏者の歌≫に挑戦。アルファベットで書かれたハープタブラチュアをどのように解読するのか、みんなで考えながら五線譜に書き変えてみました。その後、私が記憶しているヴァージョンの≪老バグパイプ奏者の歌≫を口頭伝承しました。この曲を誰かに教えたのは今回が初めて。この奇妙な音楽を大勢で演奏するとこんな風に聴こえるのかと新たな発見がありました。

このあと、特別講義として「バロック期のハープ概論」というお話をしてから、みんなで四条に移動してアイリッシュ・パブ、field でギネスを飲みながら楽しくハープ談義をしました。



最終日は、午前中にダンピングの練習をしたあと、Danza de las Tabiernas でアン・ヘイマンのカップルドハンズの基礎技法を学び、Wild Geeseを口頭伝承しました。

午後は、ダウランドの Flow, my tears と Melancholy Galliard を練習しました。臨時記号をどのように克服すべきなのか、旋律をオクターヴ差をつけて分割する方法と、変則調弦を行う方法、弦の間に親指の爪を挟んで半音を上げる方法を紹介しました。


みなさん本当に熱心にハープを学びに来られていて、やったかいがありました。もっとたくさんやりたいことがあったのですが、あっという間に3日が過ぎてしまいました。
また来年も夏に企画したいと思います。