アメリカのQE2は来月終わる。 このQE2は、元来はFRBによる米国債の買い取りにより、長期金利を抑制し、住宅市場の回復を狙ったものだったが、下の図から分かるように、QE2は金利を上げた。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/fx/forecast/20110509-OYT8T00800.htm?from=navlk から転載
これは、国債買い取りという金融緩和をしながら、つまりインフレ政策を取りながら、長期金利を抑制するということが原理的に無理だったわけだ。 結局、溢れたドルは、国内ではなく、海外に投資され、インフレを招いた。 QE2を止めた今、逆に金利が低下し、ドル安になっている。 これは恐らく、アメリカ経済が手詰まりになり、景気拡大の期待がしぼんだためだろう。
QE2の結果は、金融緩和で好景気をもたらすことが難しいことを示している。
つまりお金をばら撒いても、それだけで好景気になるわけではなく、産業の発展や、経済成長の期待が持てる投資分野といったものが用意されていないと、金融緩和や財政出動だけで好景気が到来することはないということだ。
日本の場合、急速な高齢化や、財政の急速な悪化を抱えているため、成長期待を持ちにくい。 成長期待を国内に求めるのではなく、海外に市場や労働力を求めて、発展することが必要である。