日本語GCSE/Aレベルが試験システム再編で消滅か? | 鉄火のマキ@London イギリス教育事情一番乗り

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ディスレクシア&ADD持ちの無謀なオックスブリッジ受験体験記録。


GCSEとAレベル試験にあった「日本語」が無くなってしまうかもしれないというショッキングな動きが浮上。キーステージ4 (Year10~Year11 義務教育の最後の2学年) の外国語のカリキュラム改変により、これまで日本語を含む24の言語の試験が受けられたものが7種類の言語にバッサリ削られる可能性が出てきました。

2017年度より
イングランドの義務教育終了試験であるGCSEが廃止され、イングリッシュ・バカロレアと名称を変えます。 GCSE時代には英語と数学のみが必須科目で、社会・理科・外国語は選択制でしたが、新試験制度では社会・理科・外国語の3科目も必須となることが決定。

この外国語の扱いでは、学習開始年齢を下げ 
7歳から「フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語・中国語・ギリシャ語・ラテン語」のうちどれかを学ぶことになりました。



ただし、生徒が7つの言語から選ぶ自由は無く小学校側が学習環境を用意できるものに限られます。公立校は7つも外国語クラスを用意するのは不可能ですから、ここに国を挙げて欧州へ自国文化のプロモートをかけている中国が入り込んでくるでしょう。朝日新聞も英国政府が中国語をイチオシしていると報道  UCL付属の公立校はすでに中国語を必須にして話題になりました。

小学校ですでに4年勉強している外国語を中学になって他に変えるとは考えにくく、同じ言語を中学卒業まで継続することになるでしょう。たとえ今回「日本語GCSE」の消滅が免れたとしても、小学校で学ぶ機会がないと学習者は減っていくのではないでしょうか。

GCSEから「日本語」が消えてしまうと、
イートン校をはじめとするイギリスで日本語を教えている中学高校 はクラスを廃止するでしょうし日本語教師は職を失います。国際家庭で日本語をコツコツ学んでも努力は評価されずこれまでのように大学進学に利用することもできなくなってしまいます…

残念なことに、日本の国力の低下により日本語試験受験者数は低迷、来日する英国人の数も減少。日本語の学位を取った英国人が就活で苦しんでいる姿などを目にするにつけ、こうなってしまう前に日本が官民協力してもっと何とかできなかったのかという思いを強くしています。


[追記] ↑の記事の計画は変更されました。最新記事をご参照ください。
「GCSEは継続、バカロレア計画が白紙撤回」