トランスデジタル株式会社が、MSワラントを発行するようです。
<概要>
名称 第13回~第25回新株予約権
資金調達額 52億円
割当先 TD戦略投資事業組合
新株予約権の総数 650個 → 全て行使されると650,000千株増 (現在243,067千株)
潜在株式の比率 291.1%
行使価格の修正
① 各新株予約権ごとに、取締役会が行使価格修正を決定。→ 株価の平均値の90%に修正。
② ①の以後、6ヶ月に一度その時の株価の平均値の90%に修正。
当初の行使価額 8円
行使価額の下限 2円
アドバイザリー 株式会社シー・エフージー
アドバイザリー費用 1億円
資金使途
① 借入金の約定返済および社債の償還による負債の圧縮 10億円
② 子会社メディア241株式会社における番組制作費 10億円
③ 子会社株式会社フォリアルにおける商品仕入代金等 5億円
④ 中小IT関連企業等に対する出資金 10億円
⑤ グループ企業への出資金 10億円
⑥ 運転資金 5億円
連結売上が35億円、時価総額21億円のトランスデジタルが、最大52億円の資金調達とは驚きですね。子会社メディア241株式会社に10億円を使うようですが、メディア241株式会社は、その他のセグメントに属し、その他のセグメントは、20年3月期は売上5億円、営業損失2.5億円です。果たして、お金さえ突っ込めば、黒字になるのでしょうか?
ファイナンス・スキームですが、新株予約権の行使価格の修正条項もあり、ほぼ10%ディスカウントで株式を取得できる構図ですので、TD戦略投資事業組合は、ほぼ確実に儲けることができます。TD戦略投資事業組という投資事業組合が開示資料には出ていますが、投資事業組合に出資するメンバーは謎です。出資者はほぼ確実に儲けられて羨ましいですね。これで中長期でトランスデジタルの経営成績が向上しないようだと、既存株主が著しく害されるファイナンスの典型です。短期的に既存株主に犠牲を強いるわけですから、発行体であるトランスデジタルには、責任をもって、調達資金を使って欲しいですね。