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(関連記事→2013/10/1 米政府機関が17年ぶりに一部閉鎖へ


アメリカの連邦債務上限問題で暫定予算が成立せず、一部の連邦政府機関が閉鎖となっています。

このまま行くと10月17日あたりに予算が尽き、最悪の場合アメリカがデフォルトに陥るかもしれないと懸念されています。


週末のNYダウは久しぶりに反騰しましたが、週足では陰線となり、下落基調が鮮明となっています。

果たして株価はどこまで下がるのでしょうか?



95年-96年の連邦政府機関閉鎖


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上記は前回95年-96年の連邦政府機関閉鎖の際のNYダウの株価推移です。

このときは12/16-1/8の間、連邦政府機関が一部閉鎖されました。


やはり政府機関の一部閉鎖が始まると株価は下げ始め、解決に向けて株価は戻る展開となっています。

期間中の下落は3.5%と非常に小幅でした。


ただしこのときと今回は状況が違うことを考慮する必要があります。


当時のクリントン政権は日米貿易摩擦で対日強攻策を取り、年次改革要望書を日本に突きつけて市場開放を迫り、強烈な円高誘導で経済の建て直しを図りました。


目論見は成功し、アメリカ経済は立ち直り株価は右肩上がり。

政権1期目で非常に元気でした。


予算問題でもクリントンは共和党の妥協案には応じず強硬姿勢を貫き、連邦政府機関は閉鎖となりました。


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上記は95年1月から96年12月に期間を広げたNYダウの推移ですが、連邦政府機関閉鎖問題はほぼ株価に影響が無かったことがわかると思います。



今回の政府機関閉鎖は2週間くらい?


95年当時とは状況が異なり、オバマ政権は2期目。

レームダックとは言いませんがオバマ大統領の指導力低下は明らかであり、共和党側は政権に対して譲歩する必要がありません。

むしろ混迷の印象を深め、次回の大統領選挙に向けて対決姿勢を強めて行きたいところでしょう。


対して、これまでこれと言って実績の無いオバマ大統領にとって、オバマケアは絶対に譲れないところです。

もし最大の実績になるであろう医療保険制度改革に失敗すれば、完全にレームダックに陥ってしまいます。


今回、NYダウは既に5%超下落しており、今回の混迷が95年の時より大きいことが株価からもわかります。

強硬姿勢を貫ける状況のクリントン政権と違い、オバマ大統領は引くに引けず、押し通す力もありません。


混迷が長期化しそうにも思えますが、一方で考慮しなくてはいけないのが政府機関で働く公務員の人たちの状況です。

閉鎖となっている政府機関の職員は帰休期間中無給となっており、いつまでもこのような状況を見過ごすことはできません。


アメリカは有給休暇制度が法制化されておらず、日本以上に休暇が少ないです。

連邦政府機関の職員の年次有給休暇は3週間程度のようですので、これを超えて閉鎖が長引くと生活が出来なくなります。

既に有給を消化してしまっている人もいるでしょうから、限界はいいところ2週間といったところではないでしょうか?

95年の時も閉鎖期間は12/16-1/8であり、クリスマス休暇を考慮すると大体このくらいが限界なのではないかと思います。


そうすると来週はいよいよ打開に向けた動きがあるはずで、株価は戻し歩調になるかもしれません。

しかし連邦政府機関の再開のみに焦点を絞った妥協になる可能性があり、政府機関業務が再開されても、17日の期限ぎりぎりまでさらに混迷する可能性があります。


ナスダック市場は水曜日を頂点として下落が始まったばかりであり、日柄的にもまだ回復基調に乗る時期ではありません。

週明けの戻しは一時的なものになる予感がします。



日本株の底値は?


連邦債務上限問題は定期的に訪れる茶番劇であり、あまり気にする必要は無いと思います。

一部で言われているようなデフォルトに陥ることはありません。

そんな勇気は政権側も議会側も持っていないでしょう。


もっとも楽観的な場合は週末の日経平均安値13944円。

これがちょうど半年移動平均に当たるので、これが1つめの安値候補。


次が高値から1000円押しの13817円水準。

その次が高値から10%押しの13335円水準。


このあたりまでじゃないでしょうか。


米株市場はイベントをきっちり取りに行く事が多く、茶番劇とはわかっていても十分に堪能する可能性もあり、最悪の場合は8/28の安値13188円を伺いに行くそぶりを見せるかもしれません。


しかしその場合でも、日本株の値幅は10%前後です。

あまり気にする必要はないんじゃないかなと思っています。



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