最近の話ではなく、1年ほど前の話。
そういえば文章にはしてなかったので、思い出しながら書いてみる。

知ってる人は多いと思うが、秋葉原の駅前におよそ町並みにそぐわないギャラリーがある。
店の前で女性スタッフが絵ハガキを手に勧誘にいそしんでいるアレである。
見てると、ほとんどの客はそそくさと逃げている。
慣れてる人は、先に反対側の道に渡って大きく避けている。
かく言う自分も、逃げている一人だった。

ある日、ネットのニュースか何かで、この絵画販売について知った。
詐欺同然の悪徳な絵画販売商法らしい。
それを知って、俄然行きたくなってきた
詐欺と分かると行きたくなるのは、人として間違ってるような気がしないでもない。

チャレンジ1回目
いつものように逃げずに、あえて店の前を通ってみる。
女性スタッフの勧誘が始まる。

スタッフ「こんにちはー、今お時間ありますか?
 こちらのギャラリーで、今素敵な絵を展示してるんです。
 絵とか興味ありますか?」

俺「興味ありますよ。
 どんな絵を展示してるんですか?」

ス「海外の画家のシルクスクリーンなんです。
 シルクスクリーンってご存知ですか?」

俺「ええ、知ってます。
 高校の美術の授業でやりましたから。
 シルクスクリーンだけなんですか?
 油彩画は無いんですか?」

後で考えると、この受け答えがまずかった。
ちなみにシルクスクリーンというのは、布を使った版画みたいなもので、絵画の手法ではなく単なる印刷技術。
綺麗な絵でも画家が描いた訳ではないので、ぶっちゃけデカいポスターみたいなもの。

ス「油彩画もありますよ。
 良かったら中にどうぞ。」

と言って、一階の入り口に案内される。
受付で別のスタッフに、まず名前と住所を書かされる。
それは嫌だと断ると、露骨に嫌な顔をされた。

ならばいいです、と帰ろうとすると、書かなくてもいいので中にどうぞ、と言われる。
恐る恐る奥の階段を上っていく。

ギャラリーのフロアは2階と3階。
あまり広くなく、それぞれ絵が10枚程度壁にかかっている。
それぞれのフロアで客が2~3人程度商談している。

しかし俺には何のアプローチも無い。
店に入る前のやりとりで、こいつはカモではない、と認識されてしまったようだ。
しばし他の客の商談に耳を傾けるが、全く相手にされないので店を出た。

この時の失敗は
シルクスクリーンについて知っていることを伝えてしまった
受付で名前と住所を書かなかった
ということが分かった。

この辺りの対策を立てつつ、2回目のチャレンジ に続く。