クチコミネタ:好きな小説家

クチコミ番付参加中


[ 好きな小説家 ]


今朝は寒かったですね。

寒さにやられて3度寝しました。

なんとなく寒いなと思いながら、いつもどおり半袖でコンビニに行こうとして…
挫折。
あまりの寒さに挫折です。すぐ玄関に戻り長袖着用。
びっくりしました。

こう寒くなると読書が似合う季節になったなぁと…

なんて感じのオーソドックスな流れ、かつどこか噺家になった気分で話を始めようかと。



僕は好きな本に出会うとそれを書いた作者の他の本をとことん読んでみたくなります。

まず最初に僕を本の世界に引きずり込ませたのはこの御方。

湯本香樹実 さん。

僕が始めて小説に感動した作品が『夏の庭』でした。

読んだのは中学校の頃かな?それまでは『僕らの七日間戦争』の僕らのシリーズや推理小説をなんとなく読んでいたけれど、夏の庭は何度も読み返してしまうほどこの世界に引きずりこまれました。

この作品はよく夏休みの課題図書になるいわば定番の児童書。
といえどもココロがほっこりするこの作品は世代を問わず読めますね。

そして『ポプラの秋』 『西日の町』を読み、湯本さんの持つ毛糸で包まれたような柔らかさに僕の心はうずまってしまいました。

湯本さんの作品の子供たちは素直・純粋な子供たちが多いから、読んでいて気持ちがいい。
中学校の頃はミステリーものや人を殺す、いじめる、憎むなんて本も結構読んでいたけれど、この人の作品に出会ってから優しい本ばかり手が伸びる。
もう悪や暗闇の世界が展開される本は読む気にならない。
本の世界だけは心地よい風の吹く世界を楽しみたいなぁと思うようにもなったかな?

湯本 香樹実
夏の庭―The Friends (新潮文庫)
湯本 香樹実
ポプラの秋 (新潮文庫)
湯本 香樹実
西日の町 (文春文庫)

そして近年出会ってしまったスゴイ作家さん。
クチコミネタは小説家についてだけれど、この人は翻訳家 兼エッセイスト。

それが岸本佐知子さん。

この人の作品はコチラ でも紹介した『気になる部分』。

それからその後読ませてもらった『ねにもつタイプ』

こちらも気になる部分同様エッセイだけど、やはり不思議な本。
いや、前作に比べてより奇妙さが増した本。

前回気になる部分の紹介をしたときもちょっと奇妙な味を召し上がっていただいたので、今回もほんの少しだけ、僕の要約で申し訳ないが…

「難問」 
仕事をしているときにふともう一人の自分が出す難問。
-これから先、死ぬまで一種類の表情で過ごすとなったらどうする?-
笑顔が一番よいのでは?いや、笑顔ではダメな場面も多々あり…
その前に表情が固定されるとなると口は開いたままか閉じるべきか?
いや、どちらにしても不便で………
-もしも死ぬときに最後の景色がなにかわかってしまったら?-
それが海だったら、私は二度と海を見れない…
それが見知らぬ土地だったら、私は…………

「Don't Dream」
コアラの鼻が気になる。
カサカサしたあったかいものなのか?冷たくしっとりしたものなのか?
アレを見ていると古い新幹線を思い出す。
だとするとアレはパカっと開くのだろうか…
だとするとアレは…………

「裏五輪」
私はオリンピックが嫌いだ。
いや、スポーツが嫌いだ。
笑顔で「楽しんできますとか言いながら…」…
そもそもスポーツは冗談から始まったものばかりでは?
例えばバスケはゴミ箱にゴミを投げたら面白くなってしまい…
もしも私の好きなようにしていいならもっと原点に戻ったようなもので、馬鹿馬鹿しいものにする。
それでもきっとメディアや選手は…

やっぱりこの人は変だ。

僕はハードカバーの本が苦手。
硬いし、でかいし、カバンに入れるとかさばるし。
でも読みたいと思い、取り寄せてもらったこの本。
何度読み返しても笑ってしまいます。

こんなエッセイを書く岸本さんは翻訳の仕事が…メインなのかな?
ということで遅ればせながら翻訳に携わった作品も読んでみました。
いや、正確には読んでいる最中。
『中二階』
主人公がオフィスへエスカレーターに乗って帰る間に様々なものについて思考するという内容。
細かすぎるところ(ふと気になったストロー、ホッチキス等)をさらに細かく観察・思考する。
まだしっかり読みきっていないのでこれまでしか書けないけど…
岸本さんが翻訳するにはぴったりな本だなと…
細かいところに軽く妄想チックな切り口で突っ込んでいくあたりがいいです。

岸本 佐知子
気になる部分 (白水uブックス)
岸本 佐知子
ねにもつタイプ
ニコルソン ベイカー, Nicholson Baker, 岸本 佐知子
中二階 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)



しかし人に紹介するって難しいですよね^^;

どこまで話すと面白さが伝わるのか。

どこまで話したら面白さが半減してしまうのか。

伝えたいことを100%伝えられてるのだろうか。


う~ん……

僕は湯本さんも岸本さんも好きです。




ふぅ…

まだまだ知らない作品、知らない作者ばかり。
一生のうちでどれほどの作品が読めるのだろうか…
本を買うときはタイトルとジャケ買いがほとんど。
これだといい本だといわれても手が出ないこともあるんだよなぁ…

まだまだ知らない作品、知らない作者ばかり。