【今回のワンポイント解説】(真田丸:1月10日放送分) | 人生竪堀

人生竪堀

TEAMナワバリングの不活発日誌

【今回のワンポイント解説】(真田丸:1月10日放送分)

 初回のワンポイントは新府城。この城は、七里岩の断崖を利用して築かれ、戦国の甲斐を代表する要害堅固な名城、みたいにいわれてきた。でも、実際に縄張りを分析してみると、堀がほとんど掘られていない。その一方で、曲輪はきれいにならされている。つまり、住み心地を良くすることが優先で、防禦は二の次。基本的には館の意識で造られた、巨大な「館城」なのだ。だから僕は、この城を「名城」「堅城」と呼ぶ気になれない。
 もうひとつ、この城で重要なのは、七里岩の断崖よりも城のすぐ横を通っている信州街道との位置関係。勝頼が、諏訪の出身であったことを思い出してほしい。ちなみに、ドラマ中で木曽義昌の妻子が磔になった、との台詞があった。木曽の妻子はたぶん、城のすぐ横の信州街道沿いに晒されたのだと思う。
 ところで、新府城の櫓門の上に竹束が置いてあるのに気付いたかな?僕があの場所を指定したわけではないのだけれど、城に竹束が置いてある映像は、大河ではたぶん初めて。竹束はこちらからも時々出てくるよ!



 なお、新府城について詳しく知りたい方は、今月の『歴史群像』を読んでね!
(西股総生)



《ワンポイントイラスト》
 住み心地重視で普請した新府城。武田勝頼がここで迎えた正月はたったの一度きりでした… 真田昌幸は勝頼を岩櫃城に迎え武田家の再起を図るつもりでいましたが、事はそううまくは運ばないのです。
(みかめゆきよみ)