人生竪堀

TEAMナワバリングの不活発日誌


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 君は安土城や大坂城を、竜宮城か何かだと勘違いしているのではないかね? 城のことを、領地を支配するための政庁だと思いこんでいる人が多いのだけれど、はっきり言いますね。その認識は、論理的・原理的に間違っている、と思う。

 権力者の住む御殿があって、それが領地を支配するための政庁をも兼ね、その御殿(私邸と公邸)を防備するために、堀や土塁や石垣が築かれて城が成立してゆくのだったら、城の本丸は御殿がすっぽり入るだけの広さを持っていなくてはならない。
 というか、必要な御殿の広さを基準にして、縄張りがなされるはずだ。少なくとも私邸としての奥向き御殿はちゃんと本丸に入っていて、その回りに公邸(表御殿)や奉行所などが入る二ノ丸・三ノ丸が広がってゆく構造になるはずだ。
 でも、実際の城はそうなっていない。たとえば、彦根城や高知城。20万石クラスの領地を治めるための御殿を入れるには、本丸が狭すぎるでしょ。姫路城の備前丸だって、公邸まで含めた御殿を置くには狭すぎる。これは、近世の城が「御殿の回りを囲んでゆく」というのとは、まったく別の原理で成立したから、と考えた方がいいんじゃないだろうか。

 つまり、戦国の城の発展型として成立した近世の城は、もともとが戦うための城=軍事要塞。そして、いつ戦争になるがわからない状況なので、狭くてもガマンして軍事要塞の中に住むことにした。なので、結果としてそこが政治の場にもなる。
 こうした前提に立たないと、秀吉が死んだあとに起きる動乱の中で、それぞれの城が果たした役割とか位置づけが、見えてこないと思う。でも、城は領地を支配するための御殿・政庁で、それを立派に見せるために天守を建てたり、石垣を積んだりしている、というイメージから抜け出せない人、多いんだよなあ。日本中が戦争に備えて身がまえている時に、領地のまん中に見ばえがする美しいお城を建てて、お殿様とお姫様が暮らしていました、なんていうのは、おとぎ話じゃなかろうか。
 そんな事を考えながら、秀吉の死後、豊臣政権が崩壊してゆくドラマを見てみると、ちょっと深い楽しみ方ができるかもしれない。

(西股総生)

《ワンポイントイラスト》



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(みかめゆきよみ)

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第2部「サブカルで楽しむ歴史とドラマ」…西股総生・みかめゆきよみ・磯部深雪
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場所 : 新宿クラブツーリズム(新宿アイランドウィングビル)
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◎北条ですが、なにか……その6(全6回)

 (前回からのつづき)僕が書いたこれらの論考に対して、もちろん反論はありうるだろう。自分では気付かなかったような、論証上の欠陥だって見つかるかもしれない。しかし、少なくとも『城館史料学』に投稿した2本(③と⑤)はひととおりの査読をへているから、まったく荒唐無稽なホラ話ではない。②も縄張図を封印し、あえて文献史学の方法論でまとめたものだ。
 だとしたら、こうして5本の論考を積みあげている以上、僕なりに「杉山城=北条論」は、それなりに根拠があって主張しているつもりなのである。『「東国の城」の進化と歴史』の参考文献にも③④⑤は掲出してある。ただ、もっときちんと史料を引いたり、註を付けて論拠を示したりした本が読みたい、と思う読者もいるのだろう。

 去年、松岡進さんが『中世城郭の縄張と空間』(吉川弘文館2015)を出した時に、僕もこんなスマートな城の研究書を書いてみたい、と思った。最近、齋藤慎一さんと中井均さんが出した『歴史家の城歩き』も、同じ路線といってよい。もし、城にディープな関心を持つ知的好奇心の高い人が増えてきて、こうした本が商業出版として成り立つのであれば、僕も手がけてみたい。そういう意味では、『歴史家の城歩き』には売れてほしいと思う。今度、高志書院さんに会ったら、売れ行きを聞いてみようっと。
 あ、申し添えておくなら、杉山城が山内上杉の城であると、多くの城郭研究者が納得するような論証がなされた暁には、もちろん新しいカンバッジを作りますよ。「管領家の実力をナメるなよ」ってロゴを入れてね☆ 

西股総生



※画像は杉山城の縄張り図(部分)。
戦国の城がいちばんわかる本』(KKベストセラーズ)の杉山城を攻めてみた・守ってみたのページより

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 いま、ドラマでは目の離せない権力闘争が展開しているが、今回と次回は、その舞台となっている城のことを考えてみたい。

 信長や秀吉が築いた城は、壮麗な天守や高石垣を備えている。それらは、何のために存在しているのだろう? よく、城の天守や石垣、虎口などを権力の象徴、城主の身分・権威を示すもの、だと言う人がいるのだけれど、そうだろうか? いや、僕も城がもつ象徴性を頭から否定するつもりはない。でも、実用品としてこしらえた構造物が結果として象徴性をもつ、あるいは、どうせ造るならカッコよく造りたい、というのと、最初からデモンストレーションを目的として造る、というのは話が別じゃなかろうか? 最近はやりの「見せる城・魅せる城」論は、どうもそこの所がゴッチャになっていませんか?

 たとえば、甲冑は敵の攻撃から身を守るための実用品。つまり、戦うための防具だ。でも、オーナーたちは意匠を競う。侍は、命のやり取りをするのが仕事だが、甲冑はその侍が命を預けるもの。だからこそ、意匠にこだわって目立ちたいし、カッコ悪いのはイヤだ。軍艦なんかも、そうだよね。戦うためのバリバリ実用的な兵器なんだけど、デザインにはすごく気をつかっている。だから、結果として、国威や国力を象徴する存在として見られるようになる(長門とかビスマルクとか)。
 城も、同じじゃなかろうか? 現存する天守や櫓を見ると、たしかにデザインにはものすごく気をつかっている事がわかる。だから、美しい。でも、イコール権力を象徴する建物として造られた、と考えるのは短絡的すぎないか。そもそも、安土城や大坂城・伏見城が、信長・秀吉の圧倒的権力を象徴するために築かれて、天下万民がひれ伏していたのなら、本能寺の変も関ヶ原の合戦も起きなかったんじゃないの? 

 あれだけの城を築いて権力を誇示しても、なお謀叛人や簒奪者が続出して政権が崩壊するのなら、壮麗な天守や石垣を築いても効果はなかったことになる。だったら、関ヶ原の後で、もう誰も天守や石垣を築かなくなるんじゃないの? でも、事実は逆。関ヶ原合戦から大坂の陣にかけての時期が、最大の築城ラッシュ。それって、日本中の大名が、来るべき戦争に身がまえていた、って事なんじゃないの?(つづく)

☆お知らせ☆
ちゃらぽこ「六文銭裏講座」
次回は 8月 18日(木)19:00〜
テーマは「戦国の城から近世の城へ」です。

(西股総生)

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