「心のくつした便」お届けレポート
【山崎さんと】
さて、12月24日、25日と、福島の会津地域にお邪魔してきました。
何度も紹介させていただいておりますし、富山のみなさんにもたくさんご協力いただいた「心のくつした便」を、避難しておられるみなさんにお届けするためです。
●全国のみなさんからいただいた靴下を、ひとつずつお渡し
結局、集まった靴下は約1300足。
会津地域連携センターに届けられたのは1111足(ほんとに!)だったそうです。
このほかに、福島県内では会津美里町と白河市でも集めており、合わせて1300足強の「くつした便」が集まりました。
【サンタ集結】
サンタさんは約30名。学生からシニアまで。思い思いの格好をしたサンタたち。
富山からは、私たち夫婦と、福興カフェで知り合った田近くんが参加。
【出発式】ほんとにありがとう、稲生さん。
冒頭の山崎さんの経営されているホテル・ニューパレス(ここもまちの駅)の「あおい」の間で、出発式。
ご挨拶は、今回、靴下の送り先であり、会津のまちの駅の総まとめ役「会津地域連携センター」の稲生理事長。…気づけば10年以上のお付き合いです。
稲生さんはじめ、「会津地域連携センター」のみなさんは、各地にキャンペーン等で出張も相次ぐなか、全国から届くくつした便を、もくもくと、そして愛情込めて仕分けしてくださいました。
【大熊町長さん】
大熊町長さんも、わざわざ駆けつけてくださいました。
全町民が避難しており、その数は4000名。
うち仮設住宅に入っていらっしゃる方は、約1500名。
その多くは会津若松市に避難しており、大熊町役場の庁舎も会津若松市内にあるが、仮設住宅以外にお住まいの2500名は、民間の賃貸住宅などにいらっしゃるそうだ。こういうところにもお届けしたい気持ちはいっぱいだったのですが、あまりにもバラけているために、断念。…来年以降の課題だなと思う。
…町長さんは、多くは語られなかったけれども、
少しでも多くの方に、笑顔をお届けしよう!と、サンタ一同、改めて気合が入りました。
6つのグループに分かれて、プレゼント開始。
大人(男女)、中高生(男女)、小学生(男女)、幼児(男女)の4つの色の袋に、仕分けされたくつしたを入れて、出発!
【最初に行った東部公園の仮設住宅】
私は、会津地域連携センターのエリちゃん(最後までもくもくと仕分けをしてくれた)と、富山から東北行脚にきてくれた田近くんとともに、3人で2つの仮設住宅・70戸にお届け。
まずは、東部公園の仮設住宅。仮設住宅は、玄関の外にもうひとつ扉がある東北仕様。
大熊の人たちは海沿いだから、会津みたいに雪が降る生活は慣れないらしい。(…といっても、富山ほどは降らないけど)
仮設住宅は、旧町内、地域ごとにある程度固まっており、ちゃんと町内会長さんもいらっしゃる。
まずは、会長さん宅にご挨拶して、未入居のお家や長期のお留守宅などを確認して、プレゼント開始。
【田近サンタ、お渡し中】
うちのチームのプレゼント第一弾は、田近サンタ。
「全国のみなさんから送られた温かい気持ちが入っています。
どうぞ、あたたかいクリスマスを!」と、ひとつひとつ、説明をしてお渡しします。
【ワンちゃんにもごあいさつ】
同じ住宅でも、こちらは、玄関前の小部屋がつながっているタイプ。
廊下には、ワンちゃんのお住まいも。
キンちゃん(ワンちゃん)にも、プレゼント。
えりちゃんにも私にもなつかず、なぜか田近くんが気に入るキンちゃん。
…ひととおりお宅を回った後、留守のお宅の分は、
家族構成をうかがって、年齢にあうであろうものを、町内会長さんにお預けしました。
【車で移動】
さて、次の仮設住宅へ。
サンタの帽子をかぶって車で移動していると、道行く人の注目をあびます(笑)。
…車の中から手を振ったりして(笑)。
クリスマスって、みんななんか嬉しいんだよね。
【第二中学校西の仮設住宅へ】
さて、次は、第二中学校の仮設住宅へ。
こちらは、さっきよりさらに小ぢんまりとした仮設住宅です。
つくりも木が主体で、さっきのところとは違いますね。
ここは、大熊町と一部双葉町の方もいらっしゃいます。
【子どもたちがお手伝い】
車から降りるやいなや、子どもたちが「サンタさんだ~!」と、駆け寄ってきてくれました。
【あのね~、ここは「○○くん家」だよ】
小さな集落ということもあって、子どもたちは各家の家族構成をばっちり把握。
「次は○○くん家だよ~」と、先導してくれました。
【一軒一軒、ご訪問】
「ごめんくださーい。いらっしゃいますかー?
『心のくつした便』をお届けに参りました~」
田近くん、がんばってます。
●翌日、再度プレゼント隊出動。
さて、一夜あけて、昨日配りきれなかった分をお届けに、松長5号公園へ。
大半のボランティアサンタさんは帰られたので、
東京チーム(主に地域交流センター)と、栃木のまちの駅応援団・吉田さんらとともにお届け。
【松長5号公園】
こちらは、約230戸という、大熊町でもいちばん大きな仮設住宅エリア。
【おみせやさん】
…ゆえに、おみせやさんもあります。
【各棟に、かわいい絵が】ちょっとクスッてなる。
昨日まわった住宅地ともまた違うつくり。
ここには、各棟にかわいい絵が貼ってあります。
配っていると、買い物袋をさげたおじいちゃんが「ありゃりゃ、どこだっけ?」と、プチ迷子に。
同じ建物が並んでいるから、自分のお家が一瞬わからなくなっちゃうみたい。
…だから、こういう絵が付いているんだろうな。
(といっても、この絵がついてても迷ってたけど、笑)
【今日はまた別のチームで】
私のチームは、地域交流センターメンバー3人と私。
【ぞろぞろとお宅訪問】
やはり、ちゃんとしたサンタの格好をしている方が、住民の方にはウケがいいみたい。
「こんにちは~!サンタクロースです~!
靴下をお届けに来ました~!」
【記念撮影してくれるおばあちゃん】
とあるおばあちゃんのお宅。
「ちょっと待って!写真撮るから!」…と、カメラ持参で、
かっこいい構えで撮影してくれたおばあちゃん。
「女の人だけね」…と、手作りのお手玉もいただいた。
…逆にプレゼントをもらっちゃった♪
【おみせやさん】大熊町商工会のみなさん
さて、さっき気になったおみせやさんでも記念撮影。
大熊町商工会のみなさんが、生鮮食品や日用品などを販売している他、テーブルや椅子、自販機コーナーもあって、ちょっとした交流空間になっている。
「お家でじーっとしている方もいるので、なるべくここに来てお話ししたり交流したりしてもらっているんですよ」とのこと。
…おお。ここは完全にまちの駅だな~♪
松長の全戸を訪問したあとは、大熊町役場へ。
【大熊町役場へ】
会津若松市内、旧学校の校舎を活用している。
1階が大熊町役場、2階は中学校になっている。
【今回、公私ともにお世話になった石田さん】
今回、大変たいへんお世話になった石田さん。
役場職員でもあり、今回はサンタの一人として、プライベートでも参加してくださいました。
そして、今回のボランティアサンタのプレゼントセレモニーは終了。
前回の中越地震のときのくつした便もそうでしたが、
「全国のみなさんからいただいたお気持ちを、さいごの一足までちゃんと届ける」というのが私の大事なミッションだと思い、心をこめてお渡ししてきました。
●今回のことを、ふりかえってみて
【いただいた、てづくりのお手玉】
地震から数日後、とるものもとりあえず、追われるように町を後にして来られた住民のみなさん。
後で仮設住宅をまわって、住民の方にうかがったのですが、
「もとの生活、もとの家をそのまま残してきているから、何か後ろ髪を引かれるような思いだ」と。
先が見えないながらも、慣れない土地での新しい暮らしに、奮闘しているみなさん。
そんな中でも、元気な子どもたちは、やっぱり宝だな~と思いました。
プレゼントをお渡しした際に、
誰一人、嫌な顔をされず、みんな「ありがとう」と笑顔で受け取ってくださいました。
一軒一軒、お宅にお邪魔し、顔を見ながら、時には悩みを伺いながら、言葉ではなかなかいい表せないんだけど、被災地のみなさんの応援の気持ちも、自分がちゃんと生きなきゃという気持ちも、さらに強くなった気がします。
振り返ってみて、プレゼントするというミッションを帯びながら、いちばんプレゼントをいただいたのは、参加した私たちだったという気がして仕方ありません。
…他のグループのサンタさんも、それぞれにいろんなプレゼントをいただいたと思います。
そして、全国から寄せられたメッセージやプレゼントに涙を流しながら、大切に仕分けしてくださった会津地域連携センターのみなさん、
ほんとうに、ありがとう。
がんばって!という気持ち、応援の祈りは、何人もの手にリレーされて、
ちゃんとお届けいたしました。
相手がいると、かならず何か「プレゼント」できるんだな~と感じた2日間でした。
「ありがとう」という言葉以上に、被災された多くのみなさんが、
いきいきとしっかりと生きてくださっていることそれ自体が、
私たちにとっての「プレゼント」なのだと思いました。
【サンタさん全員集合!】
くつしたを送ってくださったみなさん、
ご協力いただいたみなさん、
本当にありがとうございました。
この日常に感謝して、しっかりと一歩、一歩。
私のできることを、精いっぱいやろう。