サブシナリオ「志筑仁美」 | tの丸顔ブログ

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世界の破壊者、tケイド ブログの世界で、その瞳は何を視るー。

――見滝原町。

その日、まどかは1人で下校していた。
いつもは一緒に帰るさやかと仁美は学校を欠席していたためだ。

「さやかちゃんも仁美ちゃんも2人一緒に学校欠席するなんて珍しいな。
1人で帰るなんて、何か久しぶり…」

時間を持て余していたまどかは本屋などに立ち寄ったりしていた。

気がつくと辺りはすっかり夕闇に包まれていた。

「うわあ、もうこんな時間。早く帰らないと」

急ぎ足で街を行くまどか。すると。

「…あれ?」

まどかと同じ見滝原中の制服を着た人影が。

「仁美ちゃん?」

学校を欠席していた筈の仁美が、制服を着たまま街を徘徊しているではないか。
おぼつかない足取りで。

「仁美ちゃーん!」

まどかは大きな声で呼びかけるが、仁美はこちらを見向きもしない。

「仁美ちゃ…あ!?」

近寄ってみると。

「あれは…魔女の…!」

魔女のくちづけ。魔女に心を奪われた者の首筋に現れる紋章。

「ひ、仁美ちゃん! ね、ねえ! どうしたの!?」

「…あらぁ? 鹿目さぁん」

まどかに肩を揺さぶられて、ようやくその存在に気づく。
しかし、その目の焦点は合っていない。心、ここに在らずと言った様子だ。

「ど、どうしたの、こんな所で!? 学校はどうしたの!?」
「そんな事はどうでもいい事ですわ…学校なんかよりももっと素晴らしい場所へ行くのです」

「何を言ってるの…」