サブシナリオ「葉月いずな」 | tの丸顔ブログ

tの丸顔ブログ

世界の破壊者、tケイド ブログの世界で、その瞳は何を視るー。

――童守町。
放課後になり、下校する小学生達の姿があった。

「ヨシコちゃん、バイバーイ」
「また明日ねー」

クラスメイトと別れ、家路を歩いて行く女子生徒。と、そこへ。

「あれ…?」

ヨシコの行く先、黒のマントにシルクハットと言う怪しい男が立ちふさがっていた。

「何だろう、あの人…」

気味が悪い。
ヨシコは別の道から帰ろうと思い、引き返そうとしたが、

「赤いリボンは呪われる…」
「ひっ!?」

前方数メートル先にいた筈の黒マントの男が、既にヨシコの背後に立っていたのだ。

「赤いリボン…」

ヨシコは頭に赤いリボンを付けていた。

「お前か…」
「あ、あああ…」
「お前かああああああああああ!!」

黒マントの中から鋭い鎌を取り出し、男はヨシコ目掛けて大きく振りかぶった。
見ると、その帽子の下の顔は白い仮面に覆われていた。

「いやああああーッ!」
「クダよ、クダ!」

「!?」

突如、黒マントの四肢に白いクダギツネの群れが絡みつき、その動きを封じた。

「子ども相手に何してんだ、この変態!」

セーラー服に、腰まで届きそうなロングの黒髪の女子中学生、葉月いずな。
イタコの家系に生まれたが家業を継ぐのを嫌い、家を飛び出した霊能力少女だ。

「うわあああーんッ!」

黒マントが動けなくなっている隙に、ヨシコはいずなの元へ走った。

「危ない所だったね、怪我は無いかい?」
「う、うん!!」