小説・CROSS HEROES サブシナリオ「DRAW GAME」 | tの丸顔ブログ

tの丸顔ブログ

世界の破壊者、tケイド ブログの世界で、その瞳は何を視るー。

「バルディッシュ!?」

【Emergency.】

蓄積していた魔力が衝撃を加えられた事で暴走し、爆発を起こした。

「ああッ!?」

爆炎に巻き込まれるフェイト。すぐさま煙を振り払い、杏子の姿を確認すると。

「…いない…」

ライトニング・バインドによる拘束は常に意識を集中しなくてはならない。

杏子を拘束しつつ、魔力をチャージすると言う高等技術。
杏子はその一瞬の隙を突き、フェイトの集中を乱す事で脱出したのだ。

「バルディッシュ、大丈夫?」

【デバイスにダメージ。修復が必要です】

『フェイト、大丈夫?』

頭に響くテレパシー。

「アルフ…」フェイトの使い魔、アルフからのものだった。

投『別の地点でジュエルシードの反応をキャッチしたよ』

「…分かった。アルフと合流する。こちらはハズレだったみたい」

フェイトは結界を解除し、彼方へ飛び去って行った。

「…行ったか…」

ビル影に隠れ、フェイトの姿を見送る杏子。
変身も解除し、魔力の反応を消して居場所を気取られないように。

「…ったく、何だったんだあのガキは…あーっ、ちくしょう!」

緊張を解き、杏子は大股を開いて壁にもたれかかった。

「やあ。災難だったね、佐倉杏子」

「うわああっ!? …ンだよ、キュゥべえかよ。驚かすなっつうんだよ!」

杏子の傍らに、キュゥべえが歩み寄っていた。

「あのガキも、お前の仕業か?」