トロンボーンのベルとは、音の最終出口の部分をいいます(俗称:ラッパ部)。ベルは材質、加工方法、大きさ、仕上げにより、音質が変わる重要な部分です。

ベルの材質

イエローブラスとは、銅70%・亜鉛30%の合金で、真鍮(ブラス)という金属です。明るく輝きのある音色と反応の良さがあります。

ゴールドブラスとは、銅85%・亜鉛15% の真鍮です。柔らかく、しっかりした音がします。

レッドブラス(ローズブラス):銅90%・亜鉛10%の真鍮です。ゴールドブラスよりさらに温かみのある音色です。

スターリングシルバーとは、銀92.5%・銅等7.5%です。

スターリングプラスとは、純銀(99.9%)です。シルバー系は豊かな音色で、遠達性があります。

一般的にイエローブラスとゴールドブラスが多いです。


ベルの加工方法

 2枚取りとは、ベルを先端部と胴部に分けてつくり、後からくっつける方法です。

2枚取りベルは、加工しやすく、品質のばらつきは少ないです。

 1枚取りとは、一枚の板を丸めて接合し、手で叩いてベルの形まで仕上げる方法です。

1枚取りベルは、手仕上げですから加工者のスキルに依存し、良くも悪くも差があるようです。


ベルの大きさ

・テナー 204mm(190~204mm もしくは 7.5~8インチ)

・テナーバス 220mm(203~230mm もしくは 8~9インチ)

・バス 240mm(9.5インチ)

上記は一般的なサイズであり、上記より大きなベルをラージベルと表現することがあります。

ベルが小さいほど、明るくはっきりとした音色になります。

ベルが大きいほど、暗く響きが豊かな音色になります。また音が割れにくくなります。


ベルの仕上げ

ラッカー仕上げとは、金属の表面に透明なラッカーを塗装して、サビや汚れを防ぎます。透明塗装なので、金属の地の色となります。

銀メッキ仕上げとは、金属の上に銀メッキを施して、落ち着いた暗めの音色になります。

金メッキ仕上げとは、金属の上に金メッキを施して、気品のある落ち着いた音色になります。表面がピカピカと輝きます。

一般的にラッカー仕上げが多いです。


■ベルのその他

ヘビーベルとは、通常より若干ベルを厚くしたタイプです。音が割れにくく、音色が豊かで暗めになります。


 説明は以上です。

いろいろと違いがあって選択に困るかもしれませんが、メーカーがバランスを考慮して標準品を作っています。

オプションで自分好みに変える場合、参考にして下さい。

私は材質を気にする位で、あとはメーカー標準をそのまま使っています。