新国立競技場はオリンピックに間に合うのか(FM局J-WAVE取材) | 「”そこ知り”建設」~そこが知りたい建設の不思議~

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映画「黒部の太陽」に憧れて、ダム、トンネル、橋の工事を行ってきた降籏 達生(ふるはたたつお)。現在は、全国の現場指導、コンサルティングを行っています。本ブログでは、建設業界へのエールとともに、あまり見ることのない建設業界の裏側を皆さんに紹介しましょう。



7月6日にラジオ局から取材依頼が来ました。
「新国立競技表問題」についてラジオで話してほしいと。
そして、今朝7月8日FMラジオ局 J- WAVEの生放送にて
電話取材を受けました
「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
という番組にて、
ナビゲーターの別所哲也さんの質問に答える形で
「新国立競技場問題」をお話ししました

ラジオで話しした内容を紹介いたします。
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別所哲也さん:今回の巨額な建設事業案について、判断し、
ゴーサインを出した有識者会議。
森元総理や、舛添都知事、JOCの竹田会長など14人が名を連ねていますが、
建築のプロは安藤忠雄さんのみ。しかもその安藤さんが昨日は欠席という。
これでまともな“判断”ができたのでしょうか?

降籏;これまでのプロセスの問題点は3つです

1つ目ザハ・ハディド案に決まった経緯に問題があります。
2012年7月に設計案の応募を開始し、締め切りは9月25日と応募期間が
2か月しかありませんでした。
最終の決選投票では、ザハ案とオーストラリア案が残り、
4対4の同点。
最終的には委員長である安藤忠雄さんの一存で決まりました。
応募期間がこの規模ですと6か月は必要ですが、2か月しかなかったこと。
2013年1月に迫っていたIOCへの提出期限に間に合わすための即席コンペでした。

2つ目の問題は、スポーツ施設ということで文部科学省が
仕切ったこと。
大規模工事に慣れ、技術者の多い国土交通省が深く関与すれば
このようなことにならなかったでしょう。
原発問題も同様ですが、技術者が早い段階でより深く関与して、
技術的な観点から解決策を早期に出さなかったことが問題を大きくしました。

最後3つ目はやはり金額の妥当性の問題です。
メイン会場の建設費は収容者数が8万人の北京530億円、
ロンドン950億円、屋根が開閉式施設である福岡ドームは
収容4万人と少ないですが760億円。
建物の質が違いますが東京スカイツリーは650億円です。
それに比べて今回の2520億円は桁違いに高いです。
大規模空間を2本のキールアーチで支える設計に問題があります。

別所哲也さん:お金にゴーサインが出たとしても、
実際本当にできるのか?間に合うのか?
という意見もあちこちから聞こえてきますが、
技術的な問題点はないのでしょうか?

東京スカイツリー、ドーム型競技場、そして大きな橋梁を
造ってきた日本の建設技術力をもってすれば
技術的にはまったく問題ありません。
ただ問題は人手不足によるさらなる工事費の高騰と
工期遅延のおそれがあることです。
例えば現在建設中の築地新市場は、
当初630億円の予算が1034億円にふくれあがっています。
建設技術者や技能者が1997年に比べて100万人以上減少しているのに対して、
震災復興や東京オリンピック需要、
台風や火山など対応による公共投資が増えたため
人手不足が深刻です。

別所哲也さん: 各種世論調査では“見直すべき”という意見が
8割を超えたという結果もでています
降旗さんは、どういう着地点が最もベターだとお考えですか?

設計を見直して、2本のキールアーチを、
4~6本に増やすとコスト削減できると思います。
また、この放送を聞いておられる方にお伝えしたいのは、
今はこのような歴史的建設物の工事に関わることのできるチャンスです。
ぜひ一人でも多くの方に建設業にはいっていただき、
人手不足を解消して、ともに世界に誇る競技場を建設したいと思います。

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言いたいことが伝わったかどうかわかりませんが
このことをきっかけに、建設業への興味関心が深まると
良いと思います。

また建設業サイドもできるだけ情報開示して
少しでも早く、安く工事を仕上げることが何より必要です。



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