「”そこ知り”建設」~そこが知りたい建設の不思議~

映画「黒部の太陽」に憧れて、ダム、トンネル、橋の工事を行ってきた降籏 達生(ふるはたたつお)。現在は、全国の現場指導、コンサルティングを行っています。本ブログでは、建設業界へのエールとともに、あまり見ることのない建設業界の裏側を皆さんに紹介しましょう。


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住まいを守るために今なすべきこと ~東日本大震災5年を踏まえて~
その2をお届けします

その1はこちら

http://ameblo.jp/tatsuo-furuhata/entry-12138178788.html



2. 地震が来ても倒れない家に住もう
基礎の形状
住宅の基礎は、図の5種類あります。基礎地盤を杭や地盤改良で支えていると安全なように感じますが、実際は逆です。杭を打ったり、地盤改良をしなければならない地盤であるということです。これらの対策を要しない布基礎やベタ基礎の住まいの方が安全で、安心です。




耐震、制振、免震の違い
地震から住まいを守るために、耐震工事を行うことがあります。一言で耐震といっても、大きく3種類あります。




●耐震構造→地震に耐える硬い構造

耐震構造とは太く頑丈な柱・梁で建物自体が地震に耐えうる強度で造られています。ただし地震の揺れで壁や家具が損傷します。実際に地震後居住できなかったり、建物自体の資産価値が無くなったり、壁や転倒した家具の下敷きになって多くの方が亡くなられました。現在行われている耐震工事はほとんどが耐震構造に変える方法で行われています。

●制振構造→地震による建物への振動を抑制する構造

制振構造は建物に揺れのエネルギーを吸収するダンパーを設置します。ダンパーが揺れを抑制するので地震被害を抑えることができます。建物の規模によって、各階にダンパーを設置する場合と、最上階にのみダンパーを設置する場合があります。

●免震構造→地震による建物の揺れを免じる(なくす)構造

免震構造は建物と地盤の間にゴムを挿入することにより、建物自体の揺れを3分の1から5分の1に軽減する構造です。揺れを減らすために、建物自体の揺れだけでなく家具の転倒も少なくなり、室内での被害を大幅に減少させます。



耐震補強をするにはどうすればよいのか
現在建っている建物を、制振構造や免震構造にすることは難しいため、耐震構造にせざるを得ません。
耐震補強を簡単に説明すると4角形を3角形に変えるということです。4角形は力が加わると形がくずれ弱く、3角形は形がくずれないため強いのです。そのため壁に斜めの部材を入れて耐震化を図ることが多いです。



3. 家が倒れなくても家具が倒れると命を奪われる
 建てた家を耐震補強しても、家具が倒れ下敷きになると命を奪われる危険性が高くなります。
こうして家具は倒れる
  家具の重心が、低ければ低いほど倒れにくくなります。逆に重心が高いと小さな横からの力でも倒れてしまいます。家具自身の重心とともに、中に入れている物が上部に集まっていると重心が高くなり倒れやすくなります。
 
置かれたもので倒れ方は異なる
洋ダンスや冷蔵庫のような背の高い家具や家電製品には、前後に揺れながら歩いて移動してしまうロッキング移動と呼ばれる動きがみられます。また、食器棚や整理ダンスのように積み重ねてある家具の上の部分や、テレビ台に載ったテレビなどはジャンプをしたり落下したりします。またロッキング(前後の揺れ)を起こさずに床面を滑って移動をするケースなどもあります。

家具を倒さないためには
地震で大きく揺れても、家具が動かないようにするにはどうすればよいのでしょうか。それは家具の上部が動かないように支えることです。
たとえば、家具を上部で支えるケースでは、家具の全重量の1/2以上の力に耐えられるような補強材を使って固定することが必要です。せっかく補強しても強度不足だと役に立ちません。家具の重量をもとにして強度計算をして壁と家具をつなぐ方法を考えることが大切です。

4. 地震後の火災は倒れるより被害が大きい
通電火災とは
通電火災の危険性が明らかになったのは、阪神淡路大震災の時でした。原因が特定された建物火災の6割が、通電火災によるものでした。
火元は電気ストーブや白熱スタンド、オーブントースターなどです。地震発生後停電が起き電気ストーブなどが停止します。その後、電気が通じると電気ストーブが再び点火します。もしもその電気ストーブが倒れており、そこに燃えやすい木や洗濯物や紙があれば、そこに火がつき燃え広がってしまうのです。これが通電火災です。

通電火災のメカニズム
首都直下地震の想定では、およそ半数の世帯で停電が発生すると予想されています。電気が復旧したとき、電気製品が再び作動し、通電火災が発生します。
通電後4分で、煙が立ち上り、12分後、炎が広がり部屋を覆い尽くします。
また通電火災は電気製品の転倒だけでなく、地震による転倒や落下で傷ついた電気コードに通電すると、コードがショートし火がつくおそれがあります。この場合、地震の数日後に火災になることもあり、阪神淡路大震災では震災後8日目に発生した火災もあります。
通電火災は、特に木造住宅の密集地域で危険性が高いです。東京都に限ると、死者は1万3000人、うち半分以上の8400人が火災による死者と見込まれています。環状6号線と8号線の間の木造住宅密集市街地を中心に多数の火災が同時に発生し、炎に囲まれて逃げられず、建物倒壊や渋滞で消防車も来られず、多数の被害者が出るおそれがあります。

どうすれば通電火災を防げるのか
ではどうすれば通電火災を防げるのでしょうか。その決めては「感震ブレーカー」です。
感震ブレーカーは、地震を感知すると自動的にブレーカーのスイッチが切れます。停電後通電しても、電気製品や傷ついた電気コードに電気が流れることはありません。
感震ブレーカーは1個3,000円ほどで購入できます。ブレーカーのスイッチに取り付けた、ひもの先におもりをつけます。震度6以上の揺れがあるとおもりが落下しブレーカーのスイッチが切れる仕掛けです。
しかし、まだ普及はほとんど進んでいません。世論調査によると、感震ブレーカーを設置しているとの回答は10%以下にとどまっています。
行政も、ほとんど問題意識はありません。公費による補助を充実させるとともに、危険な地域を指定して設置を義務化することも検討する必要があるでしょう。また、電気料金に上乗せして電力会社が整備することもよいと考えられます。

以上

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 2011年3月11日に発生した東日本大震災から5年経過しました。

政府の地震調査委員会は2013年1月11日、今年1月1日を基準日とした全国の海溝や活断層で起こる地震の発生確率を公表しました。それによると、南海トラフ沿いで、東南海地震がおきる確率は、今後30年以内に70~80%(前年は70%程度)です。南海トラフ沿いでは巨大地震の発生が危惧されています。

 そんな状態の中、各自が自分の住まいを守るためにはどうすれば良いのでしょうか。

1. こういう土地は地震から家を守れない

まずは住むところを考えなければなりません。日本の中にも危ない地域とそうでない地域があります。

昔、海、川、沼だったところに住むのは避けよう

昔、海や川や沼だったところには固い地盤の上に、スポンジのような柔らかい土が滞積していることが多いです。そうなると地震の揺れは大きくなります。水害の多かった地名には下表のような特徴があります。水害の多い土地は軟弱地盤が厚いことが多く、地震にも弱い地区となります。

よみ 災害 理由 地名の例

アイ 水害 川の合流点で氾濫常襲地帯 落合

アカ 崩壊・水害 垢がたまるように土砂が堆積した低湿地 赤羽、赤堤

アズ 崩壊・水害 土砂災害の多い土地。低湿地 小豆沢

イグサ 水害 湿地帯 井草

イケ 水害 池や窪地などの不良な土地 池尻、池上

ウシ 水害・崩壊 地すべり崩壊地、洪水氾濫地。古語「憂し」に由来し、不安定な土地の意 牛込

ウメ 崩壊・水害・液状化 土砂崩れで埋まった場所。埋め立てた場所、低湿地 梅島

水害 海・川・堀を意味する頻水地名 江古田、平井(平江が転訛)、一之江

カキ 崩壊 崩れやすい崖や急坂 柿の木坂

ガケ 水害・崩壊 崖。氾濫常襲地

カネ 水害 河川の決壊や氾濫が起こりやすい場所 金町(曲【カネ】に由来)、曲金

カマ 水害 「噛マ」に通じ、侵食を受けやすく水がたまりやすい場所 鎌田、蒲田

カメ 水害・崩壊 「噛メ」に通じ、侵食を受けやすく水がたまりやすい場所 亀有、亀戸

カワ 水害 低湿地 川口、川崎

クボ 水害 水がたまる窪地 太田窪、五郎窪、境窪、宮久保、荻窪、大久保

ケミ 水害 低湿地 検見川

コウジヤ 水害 荒地谷が転じたもの、湿地帯を開墾した場所 糀谷

コマ 崩壊・水害 崩れやすい窪地。込み入った小さな谷や沢 駒込、駒場

サキ 崩壊・水害 「裂キ・割キ」から割れる・崩れるを意味する 鷺宮、鷺沼、川崎

サワ 水害 谷地形の湿地帯 北沢、駒沢

シオイリ 水害 満潮の際に潮が入ってきた低湿地 汐入

シシ 水害 低湿地 鹿骨

シッケミ 水害 低湿地 濕化味

シバ 水害 氾濫時に冠水する場所。氾濫時に土砂が堆積した場所 柴又、芝

シマ 水害 低湿地 柳島、西島

シュク 水害・崩壊 河川の氾濫しやすい場所。河川沿いで崩れやすい場所 三宿、宿河原

シンデン 水害 湿地を新たに水田にした場所。河川氾濫のリスクが大きい 「○○新田」

スガ・スゲ 水害 低湿地 巣鴨、小菅、菅野

ツル 水害 カワの流れが渦を巻く場所 鶴巻、弦巻

ヌマ 水害 低湿地 沼影、蓮沼、横沼、沼田、皿沼、天沼、沼袋、鷺沼

崩壊 崖や傾斜地の麓 宇奈根、中根

ネギシ 水害・崩壊 台地と川や海が接する場所 根岸

ノゲ 崩壊 崖地、地すべり地 上野毛、下野毛

ハキ 水害 ハキは「吐き」に由来。川の合流部で水が出やすい場所 柏木(カシハキの転訛)

ハギ 水害 「剥ぎ」に通じ、水流に侵食されやすい湿地帯 萩中

ハタ 水害 端。川岸・海岸 田端、幡ヶ谷

ビジョ 水害 ぬかるみや湿地帯をあらわす 美女木

崩壊・水害 「腐」に由来。軟弱地盤を表す 中土腐

 フクロ(フロ) 水害 川が大きく蛇行し水がたまる場所 鹿手袋、江戸袋、袋在家、池袋、沼袋、蛇袋

フチ 水害 水が深くよどんでいる場所 岩淵、北早淵

フナ 水害 土地の端を意味する「ハナ」が転訛 舟渡

ホキ 崩壊 崖地 保木間

ママ(マ・マメ) 崩壊 河川沿いの急崖、崩壊地。河川の氾濫地点 真間、馬込

マタ 水害 川の合流部 花又、柴又

モリ 水害・崩壊 川岸が決壊しやすい場所。崩壊地 大森

水害 低湿地 谷塚、古千谷、入谷、阿佐谷、千駄ヶ谷、渋谷

ヤス 水害 浸水しやすい低湿地。砂れきが堆積した氾濫原 子安

ヤト 水害・崩壊 丘陵地や台地の間の低湿地 広ヶ谷戸、馬喰ヶ谷戸、北宮ヶ谷戸、海老ヶ谷戸

ユキ 崩壊 崩れやすい崖地 雪谷

ワセ 水害 「裂(ワザ)く」が語源。破堤や洪水を意味する 早稲田

ワダ 水害 低湿地。川の湾曲を示す「輪田・円田」が転じたもの 須和田、和田

ワラビ 水害 川に挟まれた場所


一方、以下のような文字が付く地名は地盤が強いと推測されます

「台・丘・岡・山・坂・岩・鼻・林・寺・弓・連雀・的・笄・櫓・矢倉・丸・番」

また、お寺や城下町の内側は昔から地盤のいいところに建っています。


切土部分は良いけれど盛土部分に住むのは避けよう

阪神・淡路大震災や東日本大震災等において、谷や沢を埋めた造成宅地や傾斜地盤上に盛土(土を盛って造成した地盤)をした造成宅地にて地すべりが発生しました。盛土と地山との境界面や盛土内部をすべり面とする盛土の地すべりが生じたのです。その多くは1970年代以前に造成された箇所です。

逆に切土(土を除去して造成した地盤)部分は、安全と言えます。

ではどのようにして盛土か切土かを判定すれば良いのでしょうか。残念ながら一般の方が判断することは難しいです。専門家が工事前と後の図面を見比べることで判定できます。


地震による地すべりの起こりそうな場所、起きにくい場所

地震による地すべりによって斜面が移動すると、山に生えている樹木は傾きます。樹木の傾きが徐々に大きなっている場合や、根が切れる音がする場合、地すべり活動によって斜面が動き続けている可能性が高いです。

また、過去に地すべりが起きたことのある地域では樹木(特に杉や檜等の針葉樹)は、地面が傾くと樹木はまっすぐに立ち直ろうとして幹曲がり(根曲がり)を起こします。そのため幹曲がりが多くみられる場所は古くから地すべりが活動している範囲と考えられます。

逆に山裾であっても樹木がまっすぐに伸びている場所は、強固な地盤であると考えられるため、地震が起きても地すべりは起きにくいと考えられます。




その2につづく
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住友不動産が開発した横浜市西区のマンションで建設中に鉄筋を切断していたとされる問題が発生した。
問題のマンションは2003年に分譲されたが、14年に杭の施工不良が発覚。
今月始めた基礎部分の調査で、鉄筋23カ所を切断していた疑いが新たに浮上した。


●建設現場で鉄筋を切断する理由
 建物には給排水、空調、電気の配管が張り巡らされている。通常はコンクリート構造物を避けて配置されるが次の理由でコンクリートに穴を開けないといけないことがある。
・元請建設会社と下請建設会社の連絡不十分(重層下請けが理由)
・当初の設計が変更された(マンションを購入者、デベロッパー、設計者の要望など)
・施工者の単なる施工ミス
 このような事態に陥ると、すでに施工したコンクリート構造物に穴を開けざるを得ないこともある。その際にコンクリート中の鉄筋を切断してしまうことになる。

●鉄筋を切断するとどういう影響があるのか
 鉄筋は建物の構造上必要なものである。切断された鉄筋量にもよるが、通常の生活に影響があることはないだろう。しかし地震など大きな力が建物にかかった場合、傾いたり、倒壊するおそれがある。

●私のマンションは大丈夫か
 地下の基礎部分のコンクリートを調査することで鉄筋が切断されていないかどうかを確認することができる。
○電磁誘導による調査
電磁誘導による鉄筋探査 深さ100mm程度調査可能
1日10万円程度
○電磁波レーダによる調査
電磁波による調査 深さ180mm程度調査可能
1日10万円程度
○放射線による調査
詳細 X線による内部調査 深さ400mm程度調査可能
1日40~50万円程度

マンションの状態によっては地下の掘削が必要となるためさらに費用がかかることもある。

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