ブレックファスト | 【 ENJOY YOUR LIFE 】

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朝食にゆで卵を食べました。











ゆで卵と言えば板東英二ですが、私は以前一緒に合宿をしたり試合で何度か対戦したことのある2つ年上の徳野和彦先輩を思い出します。

バーミンガム世界選手権で二位になり、現在、コマツ女子柔道部の助監督兼全日本女子柔道ナショナルチームのコーチに就任しています。

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嘗てー60kg級は、野村選手か徳野選手かと言われるくらいトップ争いを繰り広げていて、その下に私と内柴選手がつけていた時代がありました。












12年程前、私が初めてフランス国際柔道大会に出場させて頂いた時の話しです。

大会は各階級二名ずつエントリーされていてー60kg級は私と徳野先輩でした。
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当時の徳野先輩は海外では敵なしでタイトルを総ナメにしていました。私共若手は、そんな先輩選手の背中を見て、日本柔道は勝って当たり前だという認識を覚えたのを記憶しています。











そんな徳野先輩は、海外の試合に行くと必需品である携帯お鍋を持参していて、それを使って持参した日本食を調理していました。私も初めてのフランス国際ということもあり見様見真似で、海外での体調管理や過ごし方など色々勉強させて頂きました。











時差のある海外の大会では4日前に現地に入って調整する為、その間減量もあり食事面に於いても気が抜けない日が続きます。そんな時活躍するのが携帯お鍋と日本食でした。試合前には、やはり食べなれた食材を食べて体調を管理した方がいつも通りの調子で試合に挑めるのではという理論からです。











調整練習を終えてホテルでの時間は、減量のある者は空腹やのどの渇きとの葛藤があり、徳野先輩は比較的減量の少ない方だった為、持参した携帯お鍋をフル活用してホテルの部屋から美味しそうな匂いがプンプンしており、それに誘われて時々部屋を覗きに行っていました。











たまたまその時調理していたのが、ゆで卵で、沸騰したお湯に卵を5つ程ほおりこんで浮いてきたら素早く水で冷やすと殻が剥きやすくなると言う事もその時知りました。











半開きになった徳野先輩の部屋の扉を匂いを嗅ぎつけて開けて覗いた時には出来上がったゆで卵にマヨネーズや塩をふりかけて食べている最中の徳野先輩がいました。その時目があった私にこころよくゆで卵を譲って頂いた事を今でも鮮明に覚えています。











減量中のだった私にはそのゆで卵が何倍にも美味しく感じました。













A級トーナメントと言われたフランス国際は世界選手権やオリンピックと同等の評価でした。しかし、そんなものはものともせず、順当に勝ち進む徳野先輩の準決勝戦はスペイン代表のペナス選手でした。彼は、身長は153cmくらいなのですが、筋肉質な81kg級のような背中や上半身で、力強く奥襟を叩いてくる選手で、私も以前練習でやった事があったのですが、かなりやり難いタイプでしたので、私は徳野先輩がどの様な戦い方をするのか興味がありました。
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試合は序盤からお互い激しい攻防戦で、そのペースのまま後半に差し掛かった時、ペナス選手の放った肩車が有効ポイントとなりそのまま試合は終了しました。











私は、初めての大舞台に舞い上がりつつもやっとの思いで準決勝戦、前年度世界三位の実績を持つベルギー代表のタイマンスという選手でした。











彼の柔道は日本的な柔道でやりやすかった事もあり、私は背負い投げ一本で勝つ事ができました。











決勝戦はスペイン代表のペナス選手との対戦。






決勝戦は、序盤ペナス選手のタックルで効果を奪われ、中盤に私が放った巴投げが深く入りすぎてペナス選手の股を掠めて空振りしたところペナス選手前につんのめりながら「や~!」と気合を入れると、審判すかさず「一本!」と手を挙げました。










この時、コーチの方に「今のは負けじゃない。これが世界選手権やオリンピックなら抗議するが、お前はもう巴投げかけるな!」と言われました。










※その試合の動画は以下のサイトからご覧になれます。最後私が巴投げをかけたシーンが上手に編集されています。

http://www.judovision.org/?p=1521











☆久しぶりにゆで卵を口に入れた瞬間過去の思い出が蘇ってきたので掲載させていただきました。