「カーネーション」 第49回 | たっちん日記

「カーネーション」 第49回

昭和12年(1937年)。

川沿いの道。

赤紙が来た事を糸子に伝える勘助。


兵隊になんけ?あんたが!?と聞く糸子。

うん、うなずく勘助。

へえ~、兵隊なって、どこ行くねん?と聞く糸子。

そら…大陸やろと答える勘助。

昭和12年、日本と中華民国との間で支那事変と称される戦闘が始まっています。

はあ~…、嫌やの~!と嘆く勘助。

何が嫌やねん、名誉なこっちゃんか兵隊に選ばれるやてと言う糸子。

名誉なんかいらんわ!なりたいないわ兵隊なんかと言う勘助。

何でや?と尋ねる糸子。

そやかて、軍隊なんか絶対工場よりきついんやで、鬼みたいに怖い奴おって、そいつに毎日殴られんやで、弾当たったら死ぬしなと答える勘助。

死なへんわ!うちのお父ちゃんらかて、前の戦争行ったけど、あんない帰ってきてるやんかと言う糸子。

うちのお父ちゃんは青島で赤痢で死んだわしよと言う勘助。

しゃきっとせい!と勘助に喝を入れる糸子。

無言の勘助。

しょんぼり歩く勘助の後ろ姿を見つめる糸子。

[勘助がそんなしみったれた事ばっかし言うさかい-]


夜。小原家。

勘助を祝う会が催されています。

[出征は名誉なこっちゃのに、何やかわいそうに思えてきて、心の底から祝うちゃる気ぃにはなれませんでした。]

まあ、そんなもん当たらん当たらん、あのなあ、兵隊ちゅうんは皆が皆お前ドンパチしてる訳やないんやど勘助を勇気づける善作。

ほうよ、そんな派手な事はめったにでけへんと言う木岡。

そら、わしらかて、日露ん時はもう生きて岸和田の土は踏めん思てげっそりしたもんや、そやけどこないして岸和田で毎晩飲んだくれてらしと言う善作。

うん…そやなと少しは安心する勘助。

そやけど腹だけは壊さんようにせえよと注意する木之元。

せやせや、腹だけは命取りやしなと言う善作。

[おっちゃんらの話聞いてるうちに、勘助も腹さえ壊さんかったらどないかなる、無事に帰ってこれるちゅう気ぃがしてきました。]

談笑する一同。

[そやけど、やっぱしおばちゃんはそんな簡単にはいかんようでした。]

隅に座り、一点を見つめている玉枝。

勘助の隣に座っているのに、泰蔵兄ちゃんにセリフなし。寡黙な人なんですね。

朝。表。

応召軍人安岡勘助と書かれた赤いたすきをかけて立つ勘助。

日の丸の旗を振る近所の人達。

万歳三唱の音頭を誰が取るかを譲り合う町内会長、木之元、善作達。

早うせえ!と怒る軍人。

結局、善作がする事になり、五軒町一同、安岡勘助君の出征を祝して万歳三唱!と音頭を取る善作。

万歳三唱をする一同。

自分も一緒に万歳をする勘助。

君はやらんでええんや!と怒る軍人。

笑う一同。

俺、帰るよってと糸子に声をかける平吉。

何でや?最後まで見送っちゃりやと言う糸子。

嫌や…、見てられへんわ、哀れでと言う平吉。

何がや?と尋ねる糸子。

立ち去る平吉。

何でそんな事言うんよ!?せっかくのめでたい出征の日ぃやのに…と言い、勘助を見る糸子。

[そうして出征してった勘助からは2か月ほどして-]

出征のシーンにも笑いを入れとは、さすが「カーネーション」。でも、涙をこらえて見送る玉枝さんを見るのは辛いです。


安岡家。

[便りが届きました。]

うれしそうに葉書を糸子に見せる玉枝。

表の宛先面を見て、きったない字ぃやな相変わらずと笑う糸子。

小学生か!?笑

裏返し、あれ?何やこれ?と尋ねる糸子。

あの子アホやさかいな、書いたらいかん事書いたんやと思うねんと答える玉枝。

ほな、軍の人に消されたちゅう事?と尋ねる糸子。

はあ… そやろなと言う八重子。

一部を墨で塗りつぶされた文面。

けど、こんな…墨でこんなん!せっかくの葉書に!と怒る糸子。

「私は■■■■は■■■で■■■岸和田が懐かしい・・・」と書かれています。今いる場所の事でも書いたのでしょうか?私は今いる所は(どこどこ)で平和な岸和田が・・・って感じでしょうかね?


夜。小原家。

一同が食事をしています。

ほんま、あの墨許せん…とつぶやく糸子。

[人の葉書を勝手に塗り潰す。その胸くそ悪い墨みたいなもんは、そのあとも、うちらの生活をちょっとずつ塗り潰し始めました。]

従業員も一緒に晩ご飯を食べていましたが、住み込みなんでしょうかね?


支那事変の実映像。

[初め、北支事変て呼ばれちゃった大陸とのゴタゴタは、途中から支那事変ちゅう呼び名に変わって、何や知らん政府はえらいのぼせ上がってるようでした。次の年には国家総動員法ちゅうのがしかれて、いわく「今はお国の非常時やさかい、国民はとにかく軍に協力せんならんど!ぜいたくすな、節約せえ。余った分を軍に回す。お国の勝利のためじゃ!」。]


昭和14年 (1939年)。

オハラ洋装店。

[そのあとすぐ、綿製品非常管理ちゅうて、綿は作るんも売るんも規制がかかる事になってしもて、糸へんの町大阪はどこもかしこもてんやわんや。新聞によると、日本はあちこちで勝利を収めてる割に、戦争は一向に終わる気配ものうて、先月昭和14年7月には国民徴用令公布。国民はますますの節約と軍への協力を求められており、一方そんな中、うちはごっつい調子に乗ってました。]

2人目を身ごもっている糸子。

繁盛する店。

[政府が戦争に頭から湯気立ててる一方、岸和田の女性らも洋装ちゅう新しいおしゃれに湯気立ててました。国家総動員法も何のその。毎日お客さんがひっきりなしに洋服を作りに来て、オハラ洋装店は空前の繁盛ぶりです。]

駒ちゃんやサエも来てくれてんでしょうか?姿をまた見たいですけど。

見本の生地の束を手に取りに行き、その場に座り込んでしまう糸子。

先生?先生、大丈夫ですか!?と駆け寄る従業員の昌子。


2階。

大慌てで勝を呼びに来る昌子。


店。

どないした?どないした!?と駆け下りてきた勝。

ところが、何事もなかったかのように接客している糸子。

見ている勝と昌子。

立ち上がった際に、目眩がして座り込む糸子。


表に車が停まります。

運転手が降りてきて、店にいた優子に声を掛けます。

首を傾げる優子が可愛い。


居間に敷いた布団に糸子が寝ています。

その周りに善作、勝、ハル。

出迎えが来たと伝えに来る千代。

神戸へ行け、無事に子供が産まれるまで帰ってくんな、ここにおったらなんぼ言うたかてお前仕事するやろ!と言う善作。

大丈夫やない!」「言う事を聞け!」と声を揃える善作とハルがおもろいです。

以前は糸子が神戸に行くと言うと嫌な顔をしていた善作でしたが、今では自分から行けと言うようになったんですね。それだけ月日が流れたんや。


車に乗り込む糸子。

見送る一同。

優子に、優ちゃんの弟が産まれるよってなと言い、次は男の子だと決めつけている善作。

走り出す車。

[お母ちゃんは弟かどうか知らんし、店が心配でしゃあないです。]


2年2年と移り変わっていきますね。もっとゆっくり見ていたいと思うのは僕だけじゃないでしょうね。

静子役の柳生みゆちゃん は一緒ですが、清子と光子役は変わってしまいました。

大陸では戦争が始まっていますが、世間は何も変わらず。でも、徐々に変わっていくと思うと、すごく見るのがつらいです。


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