「カーネーション」 第45回
通り。
外で新聞を読む木岡。
その横で洗濯する妻の美代。
小原家の前に黒塗りの車が停まります。
先に車を降りた善作が反対側に回り、ドアを開けます。
そして清三郎が降りてきます。
誰や?あれと聞く美代。
知らん…と答える木岡。
格好ええなあ!と声を上げる2人。
小原家。
清三郎の訪問を喜ぶ糸子。
ちょっと、おい!と言い、善作を呼ぶ清三郎。
おう!と言って家に入ってくる善作。
えっ!?意外な組み合わせに驚く糸子。
居間。
善作と清三郎を見る糸子。
お茶を出すハル。
善作君、わしに構わんとな、君がどんどん話進めてくれと言う清三郎。
いえいえ、ここは是非お父さんからと遠慮する善作。
いやいや…君が糸子の親父なんやから、君が好きなように話したらええと勧める清三郎。
そんなら失礼さしてもろてと頭を下げる善作。
はい、どうぞと返す清三郎。
早いもんでお前も今年でもう21!ええ年や、この春から、お前も商売始めた、ええ時期や、こらでいっちょ身ぃ固め!と、川本勝との結婚を勧める善作。
何や、その話か・・・、お父ちゃん、うち、まだ結婚する気ぃなんかこれっぽっちもないねんと答える糸子。
川本の事を嫌いなんか?と聞くハル。
いや、嫌いやないけど…と答える糸子。
他に誰か好きな相手でもおるんか?と聞く清三郎。
そんなもん、いてへんけど…と答える糸子。
ほな、ええやないか!と声を揃えて言う善作、清三郎、ハル。笑
勝君が紳士物、そして糸子が婦人物、夫婦そろって洋裁やれるとなったら店の評判も上がるやろ、いや、それだけやないでえ、客の幅もぐ~っと広がるでえと言う清三郎。
あっ、糸子、ちょっと興味もった。
糸子を見る清三郎、ハル、善作。
客が来ます。
店へ行く糸子。
年は糸子の何個上や?と聞く清三郎。
2個ですわと答える善作。
居間でののやりとりを店から聞いている糸子。
[いつの間にか、大人らはこの結婚話にえらい乗り気になってるようでした。]
河原。
糸子が来ます。
[そやけど…]
考え事する糸子。
[そんな事、急に言われたかてなあ…。うちはまだ、店の事で頭いっぱいやのに…]
川に小石を投げる糸子。
通りに自転車に乗った勘助が来ます。
草むらに隠れて待ち伏せする糸子。
この、しゃべりが!と勘助に下駄を投げつける糸子。
背中に下駄が当たり、止まる勘助。
このボケ!人の話、どんだけしゃべりまくってんじゃ!?と勘助に迫る糸子。
ああ~!逃げる勘助。
安岡家。
八重子の子を守する勘助。
結婚話の事を八重子に話す糸子。
うちもそんなんやったでと言う八重子。
親が勝手に結婚決めてきてしまい、どんどん話が進められて、気が付いたら祝言の日ぃまで決まっていたそうです。
はあ~、そやったん!と驚く糸子。
けど今思たら、親の言うとおりやっと、おかげさんで毎日好きな仕事もさしてもろてるし、泰蔵さんにも文句いっぺんも言われた事ないしなあ、確かにこんなええ話はなかったわ、無理やりにでも結婚さしてもろて、ほんまにありがたかったと思てると語る八重子。
[八重子さんからそんな話されてしもて・・・]
これでとどめ刺されたな。
小原家。
千代が糸子の帰りを待ち構えていました。
[何かまた早合点したらしいお母ちゃんから…]
こないだのあの人やろ?間違いないわ、あの人やったら、おめでとう!お母ちゃん、うれしいわあ!と泣き出す千代。
[ほんまにうれしそうに、そう言われてしもたら…]
糸子を抱きしめる千代。
うん…おおきに…と言う糸子。
吉田屋。
帳場で予約表を見る奈津。
11月4日に「川本家・小原家、祝言」の文字。
[それから、あっちゅう間に祝言の日取りが決まって…]
善作の家。
「高砂」の練習をする善作。
[お父ちゃんは早速、「高砂」の練習を始めました。]
糸子と電話をしている貞子。
糸子の花嫁衣装を用意してくれるのです。
おばあちゃん、うちも花嫁衣裳なんか安いやつでかめへんてと言う糸子。
何や?あんたまでおばあちゃんの事、邪魔にするんかいな!?と怒る貞子。
いやいや、そんな上等なんはうちには合わへんし…と言う糸子。
合わん事ない!大事な大事な孫娘に、ちゃっちい花嫁衣裳着せなあかんのやったら、私は今日まで何のために生きてきたんや!?と言う貞子。
大げさやて…と言う糸子。
木之元電キ店。
電話を終える糸子。
糸子に電気扇を見せ、前のやつ、善ちゃん持っていてまいよったやろ?新しいの買うときよ!と言う木之元。
そんなお金ないよってと断る糸子。
ほんなもん、旦那にねだったらええんやしと言う木之元。
[人が結婚するちゅうだけで、何や周りが急におかしなってます。]
芝居する木之元を避けて帰る糸子。笑
善作、糸子が買ってきた電気扇を気に入らないようなそぶりだったのに、結局持っていったんかい。笑
小原家。
祝言の日が決まったと聞いて、やってきた美代や近所の女性。
ハルとにぎやかに花嫁衣装の話をしています。
[何や!みんなして急に、ニヤニヤ、ニヤニヤ、ニヤニヤ!]
おめでとう!と声をかけてくれる近所の女性。
ため息つく糸子。
「おおきに」言わんけ!と、糸子の頭をウチワで叩くハル。
ほっといてくれたらええのに、結婚決まったちゅうだけで、えらいさらしもんじょと言う糸子。
みんな喜んでくれてんやし!ありがとう思わんけ!ほんまに親父に似て、ひがみ根性強いんやさかい…と言うハル。
ひがんでへんわ!気色悪いだけや!と返す糸子。
表で平吉がニヤニヤと糸子を見ています。
何じゃこら!うちは見せもんちゃうど!と怒鳴る糸子。
[祝言が近づくにつれて、事はひどなる一方で…]
通り。
会う人会う人に結婚の話をされる糸子。
[そんなこんなに、大概嫌気がさしちゃったせいか…]
小原家の前に男が立っています。
何か御用ですか?と尋ねる糸子。
頼みたい仕事があんやしょ!むちゃな話なんやけどな、そやけど受けてもうたらほんまに助かんよ!もうあと、あんたんとこしかないんやし、このとおりよ!このとおり!と、糸子に手を合わせる男。
[久しぶりに人の必死な顔っちゅうもんを見た気ぃがしました。]
何やろ?パッチ1,000枚?いや、この人の店け?と聞いてきたから洋裁に関する仕事でしょうか?
糸子の結婚が決まりましたね。結婚が決まる過程なのにあえて川本を出さないという演出が気に入りました!
算盤はじく糸子。