「カーネーション」 第44回 | たっちん日記

「カーネーション」 第44回

カフェ太鼓。

幸せそうにぜんざいを食べる糸子。

糸子が働いていたとは全然知らずに、この前、岸和田に来た時、市場調査のためにロイヤルという店にたまたまぷらっと入ったと話し始める正一。

背後でテーブルを拭きながら、その話を聞いている平吉。

その時、応対してくれたのがこの川本君で、婦人服の話になった時、こないだまでうちにごっつええ職人が働いていたという話になって、よう聞いたらお前の事やないか!と笑う正一。

微笑む川本。

ああ、そうゆう事かと納得し、ほんで今日、2人そろって来てくれたん?と尋ねる糸子。

ま、そうゆうこっちゃとうなずく正一と川本。

そやけど堪忍、うち、ロイヤルには戻られへんわ、もう他の店の職人やる気はないねんと断る糸子。

顔を見合わせ、いやいやいや!と手を横に振る正一と川本。

背後で同じ動作をする平吉。笑笑

違う違う!そんな話と違うと笑う正一。

ほな、何の話?と尋ねる糸子。

あんな小原さん、わしは、わしは小原さんと…と言いかける川本。

あかん、あかん!せいたらあかん!と止める正一。

ああ、はいとうなずく川本。

ものには順序ちゅうもんがあるやろと言う正一。

後ろでうなずいている平吉。

今日はほんの様子見ゆう事やったやろと言う正一。

ああ、すいませんと謝る川本。

不思議そうに2人を見ている糸子。

後ろでずうっと聞いている平吉。

話をしている2人より、平吉ばっかしに目が行った。笑


小原家。

川本からもらったカーネーションの花束が飾られています。

店で縫い物をしている糸子。

“いのち短し、恋せよ乙女~♪”と、「ゴンドラの唄」を歌いながら勘助と平吉がやってきます。

2人を無視して作業を続ける糸子。

歌い終わり、ちまき持ってきちゃったで!と、ちまきを見せる勘助。

ちまきに目が行く糸子。

糸やんもいよいよか~!早いもんやの~!と話す勘助と平吉。

何じゃお前ら!と言う糸子。

聞いたで糸やん、結婚申し込まれちゃったらしいの?と聞く勘助。

はあ?何、訳分からん事言うてんよと、勘助からちまきを取り上げる糸子。

あいつ、小原にベタぼれやないかいと言う平吉。

アホ、そうゆうの、げすの勘ぐりちゅうんやと言う糸子。

アホはどっちじゃ、今日来てたお前のおっちゃんいてるやろ、こないだ、うちの店でお前の親父とも会うちゃったんじゃと言う平吉。

はあ?意外な組み合わせに驚く糸子。

勘助と平吉、仕事抜け出してここに来ている?


カフェ太鼓。

[平吉の話によると、1週間ほど前の事。]

善作が来ます。

コーヒーを注文する善作。

先に来て座っている正一。

ご無沙汰してすいませんなと挨拶する善作。

忙しいとこ呼び出してすまんなと言う正一。

2人に注目する平吉。

[「小原の親父、えっらいぺっこぺこしてんのう。相手、どこの偉いさんや?」て平吉は思たらしい。]

そりゃ、借金して返していないんですから、卑屈なほどぺこぺこしますよね。


とにかくええ青年でな、家柄も申し分ない、それよりも何よりも、糸子ゆう娘の事をよう理解しとうと、川本の事を紹介する正一。

川本は男ばかし3人の兄弟がいて一番上なのに、もしその要があるならば、廃嫡して小原の婿に入ってもかまわないと言っているそうです。

当時は長男が婿に行くなんて、大変な事だったでしょう。それほど糸子に惚れてたんですね。

糸子にとって、この上ないええ話やと思うんや、前向きに考えてやってもらえんやろかと頭を下げる正一。

[そこで、おっちゃんが1回頭を下げたら-]

そらもう、ありがたい話でと頭を下げる善作。

[お父ちゃんは20回くらい、頭を下げ返しちゃったそうです。]


店を出る時になり、僕が呼び出したんやと言ってお金を出そうとする正一。

いやいや、そんなん困りますて!ここだけは、ここだけは!払いますと正一を止める善作。

借金、返していませんもんね。笑


小原家。

夕飯を食べる糸子とハル。

[何やそら、うちの知らんとこで、何でそんな勝手に話が進んでんよ。うちはまだ結婚なんか、さらさらする気ないのに。]

お代わりをしようとする糸子。

御飯はもうあらへんと言うハル。

何で?聞く糸子。

ちょっとも金入らへんのに、御飯だけ食べ放題ちゅう訳にはいかんと答えるハル。

茶碗を引っ込める糸子。


昼。安岡家。

糸子が来ます。

糸子が嫁入りすると勘助から聞いて、盛り上がっている玉枝と八重子と客。

周りが勝手に言うてるだけや、うちはそんな気さらさらないよってと言う糸子。

チラシを置きに来たのですが、全然減っていません。

うちに来てもらてるお客さんには大概渡してしもてるよってなと言う玉枝。


ため息つきながら帰る糸子。

[何で他の店あんだけ繁盛させられたのに、自分の店なったら途端にあかんねん。「稼がな!」て欲かくからやろか。そやけど、稼がん訳にはいかへんしなあ。]

表に立ち、店を眺める糸子。

[そうか、そら、よう見たらまだまだや。こんな中途半端な店構えで、客は来えへんわ。心斎橋の洋装屋やったらもっと。この辺に、しゃれたドアが付いちゃって。]

ドアを開けるポーズをする糸子。

[看板は、こう。ほんでここに、ピッカピカのショーウインドウがば~ん!]

その様子を想像する糸子。

[そもそも何やねん これ?要るか?要らんわな?これなかったら、ここにガラスでもはめて、ショーウインドウみたいにできらし。]

格子をつかみ、切っちゃろ!とつぶやく糸子。


格子をノコギリで切り始める糸子。

そこに奈津と駒子が来ます。

駒ちゃん、再登場や~!

はれまあ!とうとう店壊すんけ?洋裁屋でけたばっかしやて聞いちゃったけど、もう潰れたんか、気の毒にと言う奈津。

何や、珍しいな、一緒に来たんけ?と2人に尋ねる糸子。

うちが 糸ちゃんとこ行くちゅうたら、若女将がうちも行くて言うたと答える駒子。

店に入る奈津。

背後からノコギリを振り上げる振りをする糸子。

慌てる駒子。

内をじろじろと見て、何や、呉服屋のまんまやんか、洋裁屋やったら店かてもっとしゃれてらなと言う奈津。

何の用や?と奈津に尋ねる糸子。

あんた…、結婚すんけ?と聞く奈津。

勘助から聞いたそうです。

せえへんわと答え、勘助のしゃべりが!と怒る糸子。

どっちゃでもええけど、あんた…、祝言だけはうちで挙げや、他の料理屋なんかで挙げたら承知せえへんで、ほんな事したら末代まで恨んじゃるよってなと言う奈津。

えっ!?これって営業?笑

そんだけやと言って、帰っていく奈津。

なあ、ずっと気になってんやけど、糸ちゃんと若女将は仲ええんけ?それか悪いんけ?と尋ねる駒子。

さあと首を傾げる糸子。

駒ちゃん、ええ事聞いてくれた!

数日後。

店先の格子を外して作ったショーウインドウに洋服が飾られています。

[それにしても、松坂のおっちゃんと川本さん。お父ちゃんと松坂のおっちゃん。奈津と駒ちゃん。このごろ、珍しい2人連れが多いな。人っちゅうんは、うちの知らんとこで案外つながってるもんなんやな。]


車に同乗している善作と清三郎。

にこやかに会話しています。

珍しい2人連れの真打来た~~!


改装資金はどうしたんやろ?清三郎が出してくれたのかな?

正一と川本が偶然知り合ったんというんはちょっとドラマ的ではあるけれど、正一はちょいちょい岸和田に来ていましたから、そういう事があってもおかしくはないかな?と思います。

今日は勘助、平吉、まあほとんど平吉に、そして糸子と奈津の会話に笑ってしまいました。おもろかった!

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