「カーネーション」 第37回 | たっちん日記

「カーネーション」 第37回

昭和8年(1933年)。

吉田屋の座敷。

克一の遺体の前で奈津がぼんやり座っています。

[奈津のおっちゃんが亡くなりました。]


小原家。

2階の部屋。

寝転がっている糸子。

あんたもな、はよ着替えと、喪服を出すハル。

うちは行けへんと答える糸子。

奈津は糸子に弱いとこを見られるのを嫌がると勘助から言われた事を気にしているのです。


夜。

吉田屋の表に喪服姿の善作と糸子が来ます。

先に焼香を終えた玉枝と勘助とすれ違います。

勘助を捕まえ、うち入ってええと思う?と尋ねる糸子。

しゃあないで、こればっかしはと答える勘助。

奈津、泣いちゃった?と尋ねる糸子。

いや、泣いてはなかったけどなと答える勘助。

ああ、どないしよう、躊躇する糸子。

おい!何してる!?と糸子を呼ぶ善作。

逃げ出そうとする糸子を止める勘助。

しぶしぶ中に入る糸子。


座敷。

読経が響く中、善作に後に続き、志津と奈津に挨拶をする糸子。

奈津は誰とも目を合わさず、一点を見つめています。

奈津を見る事が出来ない糸子。

[ごめんな奈津、来てしもて。お顔を拝んだらとっとと帰るよってな。]


紳士服ロイヤル。

ソファーに座り、順番を待つ女性客。

[ところで、あれから店はえらい事になってました。川本さんが言うたとおりです。サエのドレスを見た他の踊り子さん達が一斉に注文にやって来たんです。]

採寸が終わり、なるべくはよしてなと言って帰っていく客。

[踊り子さんらは、みんな、とにかく一日もはよドレスで踊りたいらしい。]

試着室で客の採寸をする糸子。


店内。

1着3日でこさえと言う店主。

あんまし慌てても仕事が雑になりますと言う糸子。

かめへんわい!背広はきちんとこさえならんけど、ドレスみたいなもん、女・子供が遊びで着る服や、ちゃっちゃとやれと言う店主。

[大将はドレスをばかにしてます。服の中で背広が一番えらいと思てる。]

店主の横顔を睨む糸子。

[けど、お客がみんな、はよ欲しがってんのも確かです。どないかそれに応えちゃられへんもんか・・・]


試着室。

[そこで・・・]

客の体に生地を当てる糸子。

[お客さんの体に、直接、布を当てて、裁断する事にしてみました。]

生地を切る糸子。

[こないしたら、型紙を作るちゅう手間が一個省けて、その分、はよ仕上げる事ができるんやけど・・・]


2日後。

出来上がったドレスを着た自分の姿を見て、いや~!ごっつええわ!と歓声を上げる客。

ドレスを着た客を見て、大丈夫やとつぶやく糸子。

[よし、この方法はいけんで!]


店内。

客を見送る店主と糸子。

その調子やと糸子に声をかける店主。

[大将は、うちが言われたとおり、ちゃんと手ぇ抜いてる思て、上機嫌でした。手間は省いたけど、手ぇは抜いてへんよってな!]

店主にそっとイ~!する糸子。笑


作業場。

空いているミシンを見て、使わせてもうてええですか?と尋ねる糸子。

また、すぐ使うんじゃ!と断る職人。

もう1台のミシンを使う川本が糸子に譲ろうとします。

女がオモチャ作んのに譲っとる場合け!と川本を叱る職人。

[オモチャ!?ドレスの事をオモチャって言いました!?]


帰り支度をする糸子。

うちのミシンで縫うてきます!と店主に断って帰っていきます。

店主や職人からドレスをバカにされて、よく言い返さなかったですね。いつもなら口論になりそうな展開やけど。糸子がちょっぴり成長したって事でしょうか?


小原家。

腹をたてながら、ミシンでドレスを縫う糸子。

そこに駒子が現れます。

再会を喜ぶ2人。

ドレスの注文に来たのですが、踊り子さんの注文があるので2か月くらい先になりそうです。

それまで待つわと言う駒子。

ごめんやでと謝る糸子。

あれから若女将に会うた?と聞く駒子。

奈津には会うてないと答え、どないしてる?と聞く糸子。

若女将はどうっちゅう事ないけど、女将の方ががっくりきてるわと答える駒子。

奈津の結婚は喪中なので式は挙げられず、入籍のみとなったそうです。

若女将は案外元気で、相変わらずだし心配いらんわと言う駒子。

[元気?奈津のアホ。何強がってんよ。]


吉田屋。

元気のない志津。

お客さんのところへ挨拶に行くのを誘う奈津。

あんた一人で行っといてと言う志津。

ため息ついて出かけて行く奈津。

[何を一人で我慢してんよ。]


小原家。

2階の部屋からだんじりを見ている糸子。

[泣かなあかん。こらえたあかん。うちが泣かしちゃる。けんかでも何でも吹っかけて、泣かしちゃるよって。]


通り。

太郎を探す八重子の姿。

どないしたん!?と聞く糸子。

太郎がどこかへ行ったと慌てている八重子。


家から出てきて、太郎を探す糸子。


川沿いの道。

風呂敷包みを手に、奈津が来ます。

川へ向かって歩く子供を見つけ、そっち行ったらあかん!と声をかける奈津。

それでも川の方へ歩く子供。

子供を捕まえ、あんた、どこの子やったけ?と尋ねる奈津。

太郎!泰蔵が駆け寄ってきます。

その子供が泰蔵の息子だと知る奈津。

おおきにと奈津に礼を言い、太郎を抱き上げる泰蔵。

泰蔵を見る奈津。

おやっさん、大変やったな・・・と声をかける泰蔵。

うちの事・・・知っちゃったん?と尋ねる奈津。

吉田屋の奈っちゃんやろ?と答える泰蔵。

うなずく奈津。

そして、ほな・・・と言って立ち去ります。

ほんまおおきになと声をかける泰蔵。

振り返り、うなずく奈津。



何かラストは映画の一シーンのようでした。

結婚は破談になった訳ではないんですね。でも、この後、奈津の心に何か変化が?

今週も駒子が登場して嬉しかったです。今後も糸子の友人としてお客として、ちょいちょい出てくれるといいのだけど。


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