「カーネーション」 第35回 | たっちん日記

「カーネーション」 第35回

ロイヤルの裏庭。

暑い中、糸子が一人で弁当を食べています。

外に出てきて、スモモをくれる川本。

中は息が詰まると言う糸子、パッチ店の時と違って、なかなかみなとなじめないみたいですね。

サエのドレスを作るのが気が進まないと打ち明ける糸子。

いや、ほんでも頑張りや!と声をかける川本。

まあ、仕事やさかい!手ぇは抜きませんと答える糸子。

これ、うまい事いったら、ダンスホール中の踊り子があんたんとこ注文しに来るかもしれへんでと言う川本。

その事に気づいていなかった糸子、そうか!ほんまですね!と笑顔に変わります。

そんぐらいの話やなかったら、うちのあの大将が婦人服なんぞ受けるかいなと言う川本。


小原家。2階の部屋。

[川本さん、ええ話してくれました。おかげでうちの迷いは吹っ飛びました。絶対、絶対、成功させちゃります。]

貞子から預かったドレスの縫い目を解き、バラバラにする糸子。

バラバラにした布を元に型紙を作ります。

神戸のおばあちゃんのドレスをバラバラにしてした事に驚くハル。


夜。

布を切る糸子。

[うちも初めて作るもんで、さすがに不安やさかい、まず仮の安い布で試しの見本を作ってみる事にしました。]


店でミシンを使う糸子。

夜中の2時です。

ミシンの音に起きてきて、はよ寝り、悪い癖やと叱るハル。

ハルが居間に戻ると、再び作業を続ける糸子。


居間。

布団から起き、せきばらいするハル。

片づけをする糸子の気配。

布団に戻るハル。


しばらくすると、再びミシンの音が聞こえてきます。

起きて、もう勝手にせえとつぶやくハル。

[おばあちゃんの仏の計らいのおかげで、その夜、どないか見本が完成しました。]

糸子とおばあちゃんのコント風なやりとりがホノボノ~としていてよかったです。


翌朝。

居間でハルが1人、ラジオ体操をしています。


2階の部屋。

寝ている糸子達。

出来上がった見本のドレスを着て、糸子を跨ぐ人物。

目を覚ます糸子。

隣の部屋を見ると千代が見本のイブニングドレスを着ています。

何してんの?どないしたん?驚く糸子や静子。

これな、このまんまやったらあかんで、イブニングドレスゆうんはな、ほんまに体にこうピタ~て合うてへんとあかんもんやねんと言う千代。

大きさはお客さんに合わしたんやけど、型はおばあちゃんのでこしらえたと答える糸子。

見ときやと言って、曲に合わせて踊る千代。

母親の優美な姿を笑顔で見ている糸子と妹達。

腕を上げたら、この辺が引きつっとったやろ?と言う千代。

踊り子さんが着るんやったら、やっぱし踊ってる時が一番よう見える方がええよと言う静子。

糸子の手を引いて一緒に踊る千代。


台所。

洗い物の最中、大あくびをする千代。

何でお母ちゃん、そんな事よう知ってんの?と尋ねる糸子。

ああ、若い頃、よう舞踏会行ったよってな、イブニングドレスも何着か持っとったよってなと答える千代。

はあ?そうやったん、「灯台下暗し」やなと言う糸子。

洋裁師さんがうちまで来てくれたと言う千代。

体にピタ~と合わせるんの、どないしてやっちゃった?と尋ねる糸子。

ちょっと考えてから、忘れたわと答える千代。


木之元電キ店。

電話を借りて、神戸の貞子と話す糸子。

何回も仮縫いをし直して、あっち詰め、こっち足しとゆう風にやると教えてくれる貞子。

それから、おばあちゃん、風邪治った?と尋ねる糸子。

治った治った、もう心配いらんでと答える貞子。

長生きしてなと声をかける糸子。

ありがとうなと泣き出す貞子。

電話を終え、おおきにおっちゃんと礼を言って帰っていく糸子。

へ~い!と扇風機に向かって返事する木之元。

楽しそうに2回も。子供かっちゅう~ねん!笑

神戸のおばあちゃん、元気になって安心した。どんな重病かと心配してたんで少し拍子抜けしたけど。


通りを行く糸子。

[よっしゃ、やっぱし何回も仮縫いで合わせていくんやな。ちゅう事は、あの子に何回も会わなあかんのか。]

ちょっぴり憂鬱な糸子。


紳士服ロイヤル。

試着室。

ドレスを着た自分の姿を見て、いや~!ごっつええやん、これ!と感激するサエ。

けど、これ、見本やさかいと言う糸子。

もうええわ、これで、このまんま売ってくれたらそんでええと言うサエ。

いや、こんな生地、ドレス用とちゃうよってと断る糸子。

ええて言うてるやろ?ごちゃごちゃ言わんとこれで売りよ!と言うサエ。

嫌や、あんた最初に、何ぼかかってもええから、ええもん作ってちゅうたんちゃうんか?と尋ねる糸子。

そやから誰も安うせえとは言うてへんやんか!これで高売ったらええんやろ?と答えるサエ。

こんな安物、高うなんか売れるかいな!うちの仕事はな、詐欺師ちゃうんや、洋裁師や!と怒る糸子。


試着室の外で、そのやり取りを聞いている店主と職人達。

おい、小原!お客さんに失礼言うなよと声をかける店主。

分かってます、あっち行ってて下さい!と言う糸子。

女同士の話なんや、立ち聞きせんといて!と言うサエ。

すごすごと下がる店主と職人達。


あんたかて玄人の踊り子なんやろ?うちは玄人の洋裁師や、あんたがダンスホールの真ん中で踊った時に、一番よう映えてきれいに見える、そういうドレスを作らなあかんやん、分かるやろ?と聞く糸子。

アホか、めでたいなあ、あんなとこで踊ってる踊り子がそんな立派な玄人な訳ないやろ?男とくっついて適当に踊って金もらう、そんだけやと笑うサエ。

ほな帰り、そんな女が着るドレス、うちは作りたない、うちは本気で作るんや、本気で着てもらわな嫌や、あんたになんか作れへんと言う糸子。


根岸先生が「本当にいい洋服は着る人に品格と誇りを与えてくれる。人は品格と誇りを持てて初めて夢や希望を持てるようになる。あなたが志している仕事にはそんな大事な役割があるの」と教えてくれましたもんね。

女の戦い、見応えがありました。録画を何度も見直す朝ドラに久々に会えて幸せです。

千代さん不足も解消されましたし。善作さんは二日酔いで寝込んでいるんかな?