アオタケ囲碁通信 -2ページ目

高専生の採用について考えてみる

自分の過去の体験談や、

会社の人事担当者との話を通じて

高専生の採用について思うことをまとめてみます

 

 

高専卒採用側のメリット:

1.大卒より賃金を抑えられる 

2.地頭が良い 

3.技術者になりたい前提の人に技術者採用をするので

ミスマッチや離職する可能性が低い

→結論「大卒と比較して選考・採用コストが低い割に

 質の良い採用が見込める」

 

高専卒就職のメリット:

就職活動がとても楽であること。

20歳から働けること。特にプログラマーやWEB関係の仕事は

学歴関係無く技術力次第なので、具体的にやりたいことが決まってて

就職先やその先に明確なやりたいことがあるなら、

目的無く学生続けるより1日も早く仕事を始めた方がいいです

 

 

高専卒就職のデメリット:

再就職や異業種への就職転職活動が相対的に難しいこと。

技術者になる意志が無いなら高専から早々に退学して、

センター試験から大学の一般入試を受けた方がいいと思います。

10代の学生は大抵学校以外の世界を知らないから、

決断するのは大変だと思うけど

 

 

高専卒就職の注意点:

就職が楽な状況は、裏返せば

自分と十分に向き合う機会を経ないまま

大企業に入ったり社会に出ることも可能になるので、

20代後半や30代突入後に今更やりたい事とか考え始めても、

選択肢はかなり制限されます。

 

結局は人生どこかで一度は苦労するので、

若い時期に頑張るほどコスパ良し。

 

 

あと、高専に入学する人は、少なくとも入学時点では

その周辺地域で偏差値高い人間が集まってきます。

 

なので、何らかの理由で学業成績が悪い

(専門教育に興味ゼロ、大失恋、家庭問題、

教授との確執、部活や諸活動にハマりすぎて勉強しない、

鬱病や精神病、単にやる気が全然出ない)場合も、

就職して環境を変えたり何か仕込んだりすると

普通にしっかり仕事してくれる可能性は高いので、

採用側としては就職市場に出てくるのは大歓迎なのです。

 

 

現役時代に学業成績が悪いと、それが自分の人間としての

価値の全てみたいに思うかもしれないけど、

全然そんなことないし、もっと自信持っていいと思うんだと、

10年前の自分みたいな人がいたら言ってあげたいと思う

碁石が投げ売りされている

ここ最近、1-2ヶ月に1度のペースで蛤碁石と碁笥が凄まじく安い値段で店頭で中古に並んでいる機会に遭遇しており、車の移動中に見かけたら買い取って回収するようにしています。安く調達したい方いたら、常時の在庫はお約束できませんが、是非ご連絡ください

 

本来ワーイと喜ぶべきところですが、32-33号の蛤碁石+碁笥が千円台や二千円台で売ってあると、さすがに囲碁自体が舐められているような悲しい気分になるので、自分としては転売用の購入ではなく、碁石の救済活動をしているつもりです

 

恐らく、全都道府県の小規模買取業者やリサイクルショップまで巡回すると、相場を知らない店主の店に凄まじい数の蛤碁石が塩漬けされており、あと10年20年すると「祖父が亡くなって~」みたいな話が増えて、少なくとも今の数倍のペースで市場に放り出されてくると思います。

現場を見に行くことの重要性

 

最近、キングダムという漫画が激熱の展開を迎えており、

ヤングジャンプの発売日を毎週心待ちにしています。

 

 

内容を要約すると、中国で七国が争っていた春愁戦国時代、

後の始皇帝が現れる秦国と、他国の騒乱を描いた戦国漫画です。

 

この主人公の属する秦国が、中華統一の最大の壁である

隣の国の趙国に本格的に大軍勢で侵攻を進めている最中で、

おそらく物語全体の50%に差し掛かろうというところ。

 

 

秦国軍の総大将、王翦将軍は、

今回の遠征の目的地である鄴という城を攻める前、

二十万の軍勢の進軍を数日保留して、馬を飛ばし、

攻める城の様子を実際に見に行く場面がありました。

 

 

 

想像以上に大きな、中華最強クラスの城を見た上で、

「この城を普通の攻め方で攻め落とすことはできない」

という前提で新たに作戦を練り始めた王翦将軍。

 

そこから将軍は、周囲の小さな城を9つ攻め落とし、

全ての難民を鄴へ向けて誘導した後から鄴を包囲し、

城の食料を難民に食い尽くさせる兵糧攻めを開始しました。

 

 

これは、歴史上の他人事で済む話ではありません。

 

僕らも、何かを企画したり作戦を立てる上で、

「現場を実際に見に行く」というのは非常に重要です。

 

 

例えば、最近、とある飲食店を予約し、

囲碁の企画を開始したのですが、実際に現場に行ってみて、

店員と話し、非常に多くの事実が明らかになりました。

 

 

「テーブルの中央に焼肉用の網がある」

スペースの関係で、19路盤は非常に置き辛い。この段階で、

板状の19路盤を使わない前提の企画が必要になります。

 

 

「囲碁を打つ趣旨を伝えたところ、現場のスタッフ店員曰く

『机の上に物は何でも広げるのはOK。

 しかし、ジャラジャラ・パチパチと

 音を立てるのは周りの客に迷惑なので禁止」

これにより、通常の碁石を使ってのイベント運営は

 難しくなるので、ipadや音の出ない碁盤を使う前提で

 企画をする必要があります。

 

 

「酒主体のレストランなので、周りの客の大半が酒飲みである」

→主な客層は家族連れなのか、ご老人や若者ばかりなのか、

 想像がつきません。

 繁忙期の土曜日昼過ぎに、騒がしすぎない店でないかどうかを

 事前に確認しておくと、運営の不安材料が減ります

 

 

「店がコース料理をとても推すメニュー表を用意している」

→店員さんは軽食でも全然問題ないと仰ってはいるものの、

 15時~17時の時間帯で軽食をとる際に

 周りの客の大半が肉を焼きまくってガンガン食事をしていて

 僕らが浮いてしまったり貧乏臭くなるような店でないか

 事前に繁忙期の土曜日同時間帯を確認しておくと、

 運営の不安材料が減ります

 

 

どれだけ策を練ったところで、不安要素は完全には消えず

新たに発生するものですが、現場を実際に見に行くことで、

失敗する確率を限りなくゼロに近づけるができます。

 

戦争なら勝率を大幅に上げたり五分に持っていくことができ、

イベント運営なら、失敗の確率を大幅に下げられたり

自信を持って人を誘うことができるようになります。

 

 

「俺は現場主義だ!」という人はどんな職場にもいますが

その人達は、現場に仕事上の色々な答えがあるということを

自分の過去の経験から分かっているのだと思います。

 

 

なので、何かを企画する際、少しでも不安を感じていたり

不安が消えない状態が続く場合は、できるだけ早い段階で

現場を見に行くようにしましょう。

プログラミング/プログラマーに関して思うこと

最近何かと話題になっており、スクールや教室も乱立しているプログラミングですが、これに関して色々思うことがあったので、備忘録として書いておきます。

 

 

まず、プログラミングが需要があり、稼げる仕事であるという触れ込みの前提についてですが、

 

そもそもプログラミングとは、「既にある仕事を自動化するための技術」なので、プログラミングそのものが直接お金を稼ぐ訳ではありません。金を稼ぐ構造や目的がまず存在して、それを極限まで効率化する手段。それがプログラミングです。

 

「稼げるし時間も場所も制約無し、人類皆フリーランス」というのは、技術者を大量生産して雇用か紹介したい側の謳い文句です。

 

 

要は、RPGで言えば、プログラマーはバイキルトやピオリムなど補助魔法を専門に使う魔法使いであって、単体では敵を倒せません。なので会社に雇われて戦士と戦法(ビジネスモデル)を借用しながら修行するか、即戦場に降りて前衛も兼務する魔法戦士になるか、選ぶ必要があります。

 

最近このプログラミング教室が乱立している理由は、恐らくは技術者の需要が高まっているので転職市場に客を流して紹介料を得る為(年収の2割や3割)です。過剰に受講料が安かったり、就職できたら全額返金というところは、ほぼそれに該当するので、自前のサービス製作の為なら避けた方がお互いの為です。

 

 

何らかの理由で作りたいものがあり、プログラミングが必要となったら、多分自分は教室行って教科書開いて1-1から勉強をするのではなく、とりあえず本買って即コードを書き始めると思います。

 

iphoneアプリを作るならswift、WEB上のサービスやツールを作るならRubyを選ぶと思いますが、今は趣味以上の水準で作りたいものが無いので、ガッツリ学ぶ予定は当面の間、ありません。

 

仮に今使うとしたら、現行の仕事のプロセスで30秒かかる事務作業を10秒に短縮したり、人に外注するリサーチを自前でできるようにしてコストを下げる、などの用途かと思います。

 

 

色々書きましたが、プログラミング自体は人一人のできることが無限大に広がる素晴らしいツールなので、使う人の脳味噌も一緒に鍛えて活用していけば、いい世の中に確実に近づいていくと思います。

囲碁AIが囲碁学習環境に与える影響

来年か再来年くらいには、プロ棋士レベルのAIが

市販のソフトを通じて一般家庭にも普及すると思います。

 

自分の打った碁をAIで即検討することができるので、

地方のアマ棋士や子供の棋力底上げには確実に繋がり、

交通費や指導対局料の負担も、大幅に下がるでしょう。

 

 

 

 

プロ棋士やインストラクターと打つことの意味は、

機能的価値よりも心理的価値と人間的価値に

重点が置かれるようになり、立ち位置も変わります。

 

機能的価値だけで勝負する一部のトップ層を除いては、

碁の技術や知識だけでなく、情報発信力や

一つの事象に対する物の考え方や視点のフィルターなど、

 

・プロ棋士という資格をどう活用するのか

・棋士として、何を考え、どう生きるのか

 

といった、人としての総合的な価値を

要求される時代が、近い将来、やってくるでしょう。

 

 

 

 

若い子やイケメン、美人看板娘と打たせる商売も、

将来的にはVRを活用して、遠隔で喋ったり

対局したりする環境が今以上に整えば、

 

・碁の商売/普及活動に参加したいけど、

立地が過疎地域や限界集落でそもそもの商圏が存在しない

・若くて強い女の子に打ってもらいたいけど、

近所の生活圏内に、該当する人やサービスが皆無

 

という立地と商圏の制約が無くなるので、

地方に住んでいる人、既に仕事を持っていたり

子育てで休職中の人も空き時間の副業で参加できます。

 

 

 

 

人工知能が発達すれば更に技術革新の恩恵を預かって

そういった試行錯誤のプロセス自体もAIが勝手に考えて

僕らはただただ楽しむだけになるかもしれません。

 

 

ただ、電気自動車やエネルギー問題、食料生産の自動化、

衣食住の完全無償化など、スパコンの技術革新の影響は

より社会や人々の生活に密接な分野が優先されるはずです。

 

 

よって、囲碁界に上記を初めとした技術革新が

10年後に起こるか20年30年後に起こるかは、

どれだけ多くの人がそこに携わるかで左右されます。

 

 

 

 

基本的にこういう「タラレバ」話は好きではないですが、

漫画の未来予想とは違い、人工知能が作る未来に関しては

スパコンの演算能力がそのまま技術革新のスピードに

比例するので、今後世の中がどうなるかというのが

僕らが想像している以上に高い精度で予測できる分野です。

 

 

人工知能の作る未来に興味のある人は、

是非以下の本を読んでみてください。

高いですが、ここ最近読んだ中では、一番面白かった一冊。

 

書評はまたどこかで、改めて書きます。