「息子に贈る私の宝物」 |         きんぱこ(^^)v  

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  きんぱこ教室、事件簿、小説、評論そして備忘録
      砂坂を這う蟻  たそがれきんのすけ

 子供っていうのは、古い表現なら、「巻き戻しの出来ないビデオ」、今風なら、「見直しが出来ないDVD](ブルーレイ?)みたいなものでしょうか。

 その一瞬一瞬のかわいさは、二度と見ることが出来なくて、 写真やビデオでは撮れないショットがどんどん過去へ送られてゆきます。


 だから、親は親で色々と悩みや仕事があるだろうけど。


 子供には出来るだけ愛して、一瞬一瞬のかわいさを見てやってほしいですね


 以下は以前にも書いたことのある私の思い出と子供への気持ち。

 アメリカに住むアメブロガーの MsVegas51 さんに褒めてもらったので載せ直しました。

 (この記事だけはなくしたくないので朝までの再投稿)

 自分自身のため、そしていつか息子が見てくれるかもしれないと思って・・・・保存版にしようと思います。

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 私の息子が3歳になった時、風邪を引いた。

 その時に、嫁は仕事で遅くなる。

 熱があったので、2キロ離れた小児科の病院にタクシーを飛ばして行った。

 息子は熱があり、いつもの元気がなくてぐったり。

 小児科の病院で、解熱剤や薬の処方箋をもらい、病院の向かいの薬局に行った。

 薬が出来上がるまでずっと抱きしめた。

 かわいそうで抱きしめる。


 かわいくて抱きしめる。


 風邪が私に移ってしまえと抱きしめる。


 そして、パパの愛が少しでも息子の


 心に焼き付いて欲しいと抱きしめる。

 薬が出来た。


 カウンターでお金を払おうとしたら、息子が私に抱きしめられながら吐いてしまった。

 ゲロは私の服では受け止め切れずに床にこぼれた。
 店の人に謝りながら、息子を抱いたまま店員と一緒に拭き掃除。
 それでも匂いは消えない。
「あとはしますから……」
 店員さんの声に甘えて、
「本当にスイマセン」
 と何度も謝りながら店を出る。

 私の服は、下着まで息子のゲロでビショビショだ。

 それでも不思議なもの。

 自分の息子のゲロの匂いは全然大丈夫。

 服がパンツまで濡れてすこし寒かったけど、息子の方が心配で、自分の上着を息子にかぶせた。


 タクシーで帰ろうとしたら、息子が嫌がった。

 来る時のタクシ-で酔ったのだろうか……。

 それで、息子をしっかりと抱きしめながら、2キロの道のりを歩いて帰った。

 大阪のど真ん中、空堀商店街。

 薄暗い歩道には会社帰りのサラリーマンや買い物帰りの主婦が歩く。

 途中で、私たちの匂いのせいか、通行人が避けて通る。

 寒空に体が冷えた。


 それでも、そんなことはどうでも良かった。

 ぐったりとしんどそうな息子の心配ばかりして、しっかり抱きしめ続けてやる。

「パパがずっと抱いててやるから」

 声をかけながら家までトボトボと歩いて帰った


 家に帰って服を脱ぎ、軽くシャワーで暖めてやり、着替えて薬を飲ませ、ベッドで一緒に寝た。

 息子を抱きしめ、一緒に歩いて帰ったこの2キロ。

 私は一生忘れません



 子供の顔やしぐさを見ていると思わず微笑んでしまう。

 本当に好きな人間には、何をやっていてもかわいくて仕方がない。





初めて自分で立って私の膝を掴みに来てくれた時の息子。
この写真は私の宝物

このブログを何時か見るかもしれない我が最愛の息子に捧ぐ。



 

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