ミリオンダラー・ベイビー 器の大小や負け犬なんて関係ない 自分の一生 |         きんぱこ(^^)v  

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      砂坂を這う蟻  たそがれきんのすけ




ミリオンダラーベイビー


タイトルを読むと、なんだかあまり見たくない感じがします(笑)。

皆さんは、どう思いますか? これは初めて見た時のイメージです。

見てみると、なんと、クリントイーストウッドと、私の大好きな、モーガンフリーマンが出ていました。

なんなのだろう、このタイトルは。

ベイビーを子供と解釈してしまうと全然違うタイトルになるでしょうね。

「愛しい人」なのでしょう。

100万ドルの愛しい娘。

これは、ボクシングの映画、なので
百万ドルはファイトマネーのことで、とある錆びれたボクシングジムの経営者と、そこに入ってきたボクシング適齢期を過ぎた女性の物語なのです。

そのボクサーは32歳。

女版のロッキーかと思いきや、
全然現実的で、寂しく悲しい映画です。


私の印象では「嫌われ松子の一生」に通ずるところがあるかもしれません。


 女性と言うのは本当に「粗食に耐えられる」というか、私自身幾人かの女性を見てきて感じることなのですが、お金が無い時には無いなりに生きることに工夫をして節約と我慢を重ねて生きて行けるものなのだなと感じているところがあるのです。このことにつてはある意味女性に対して敬意を感じている部分です。

なんでこんなことを書いたかと言うと、この映画に出てくる女性もたとえばレストランの残飯を「犬にあげたいから」といって家にもって帰り、自分の夕食にするという生活をしていたのです。


 そんな毎日を送っていて、何かをしてみたいと思ったのでしょう。

 ボクシングジムの門をたたいたわけです。

 もちろんオーナーのクリントイーストウッドは相手にしないのです。

 そこからは、映画を見てください。

 とてもいい物語、しかしとてもさみしい物語です。


 人生をたとえばマラソンに置き換えて考えると、レースの後半には大体勝負が見えていて、私は勝ち組だ、私は負け組だと言われたりするわけじゃないですか。

 負け組になった人はダメ人間なのでしょうか。

 マラソンを自分のために必死で走れなかった人もいます。

 そこですべてをあきらめてしまう人もいれば、出遅れた人生の中で自分には何か出来ないだろうかと考えて生きて行ける人もいます。

 自分にもっと何か出来ないだろうか、何かやってみようと思って生きることは大事なのではないかと思うのです。

 彼女もそうだったのでしょう。 



あさ


 話の中で、ジムに居候しているモーガンフリーマンが言います。

「人は毎日どこかで死んでいる。毎日床を拭いたり、皿を洗ったり、人生こんなはずじゃあ無かったと、悔いを残して死んでいく。・・」

 この部分が私にはなんだかすごく印象に残ったのです。もちろん「私はこんな人生じゃないから、前向きに頑張ってるから」という人も多いでしょう。

 しかし、人の人生は千差万別。若いころに何もせずぼーっと生きてきた人もいれば、家族や子供のために自分を抑えて必死で会社にしがみつくサラリーマン、親が病気で自分の人生を親のために犠牲にして介護しながら生きている人、ちょっとした自分の過ちや不真面目な性格などから離婚したり倒産したり会社を首になったり。真面目に生きていても世間から特に目立たずに異性との交流もなく、何となく生きるだけで精一杯の仕事をして生きている人など・・・

 もちろん、何も感じ無くは無いでしょうし、変えようと努力はするでしょう、その人それぞれの感覚でね。

 私の場合は自慢できるような人生を送ってきてはいませんので、人の人生や考えを笑ったりすることはできませんし、私の人生を笑う人も批判する人も沢山いましたが自分なりに考えて生きているつもりです。たとえ歪んだ考えでもです。


 皆さんは、今生きている人生をどんなふうに考えて生きているのですか?


 目標を持って生きたり、希望を抱いて生きるということは大事なことだと思います。

 怒りを糧にして生きている人もいますよね。

 希望と目標と使命を見失って生きている人が一番つらいのではないかと感じるわけです。

 

 この映画の主人公も自分で何かを見つけたのでしょう。

 しかし、その結末は必ずしも幸せかというとそうは言えない。


 良く頑張ったのです。

 すごく頑張った・・・。


 彼女は自分の人生を幸せだったとおもったでしょうか、それともこんなはずじゃなかったと思って死んでいったでしょうか。


【ストーリー】

とあるボクシングジムに一人の女性が入ってくる。
彼女は生活保護を受ける家庭に育ち、
ウエイトレスをしながら、
客の食べ残しを
「犬にあげますから」
と言って、持って帰るような生活。
そんな彼女がボクシングを始めた。
最初は相手にされないが、
彼女のある言葉をきっかけに
トレーナー(クリントイーストウッド)
が相手をするようになる。

そして、試合に出るようになり、とうとう百万ドルのタイトルマッチを行う事になった。



あさs


試合が始まり、
勝ったと思った時に、事件が起きた。

栄光を手につかめたはずの人生が一転して地獄の人生に変わってしまう。


彼女の運命は・・そして彼女はその後何を考え何を思って生きたのか。


後は見てください。

おすすめです。



2004年 アカデミー賞作品

監督 クリントイーストウッド

女性ボクサー   ヒラリースワンク

ジムの居候    モーガンフリーマン

トレーナー     クリントイーストウッド




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